ドイツがイギリスを倒して2007年以来となる準決勝進出「旅が続くことを願っている」 [デビスカップ・ファイナルズ]
男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(スペイン・マドリッド、オーストリア・インスブルック、イタリア・トリノ/11月25日~12月5日/室内ハードコート)の大会6日目は決勝トーナメントの準々決勝1対戦がインスブルック会場で行われ、ドイツ(グループF・1位)がイギリス(グループC・1位)に逆転勝利をおさめてベスト4進出を決めた。
シングルスで1勝1敗と星を分け合ったあと、勝負のかかったダブルスでケビン・クラウィーツ/ティム・プッツ(ドイツ)がジョー・ソールズベリー/ニール・スクプスキー(イギリス)に7-6(10) 7-6(5)で競り勝った。クラウィーツ/プッツはタイブレークで4つのセットポイントを凌いだ末に第1セットを先取し、第2セットのタイブレークでは0-5から7ポイントを連取するという離れ業をやってのけた。
「これは信じられないようなチームとしての成果だ。チーム内の雰囲気は最初の日から素晴らしかった」とクラウィーツはコメントした。
第1試合でダニエル・エバンズ(イギリス)がペーター・ゴヨブチック(ドイツ)を6-2 6-1で退けイギリスが先勝したが、第2試合はヤン レナード・ストルフ(ドイツ)がキャメロン・ノリー(イギリス)とのエース対決を7-6(6) 3-6 6-2で制して1勝1敗となった。
試合開始早々4-0とリードを奪ったエバンズは、最後まで一度もブレークチャンスを与えなかった。ゴヨブチックは第2セットのレシーブゲームで2ポイントしか取ることができず、マッチポイントを自らの4本目のダブルフォールトで落とした。
「序盤にリズムを掴もうとしたんだけど、今日は最初から最後までいいプレーができたよ」とエバンズは試合後に話した。
ゴヨブチックの起用は、ドイツ代表チーム監督のミハエル・コールマン(ドイツ)によるサプライズだった。世界86位のゴヨブチックは過去2対戦でプレーしたドミニク・コプファー(ドイツ)より32位も下だが、ツアーレベルでは未対戦ながらチャレンジャー大会で2度エバンズに勝っていたゴヨブチックをコールマン監督が抜擢した。
エース対決でのノリーに対する勝利について、「僕のキャリアでもっとも重要な勝利のひとつだった」とストルフは表現した。
「キャメロン・ノリーは真のファイターだ。僕は非常にいいスタートを切って4-1とリードしたけど、リスクを犯してプレーすればミスも増えるものだ」
第1セット6-5でサービング・フォー・ザ・セットを迎えながらブレークバックを許した世界ランク12位のノリーは、タイブレークでも2本のセットポイントを決め損ねた。ノリーは第2セットで唯一のブレークチャンスをものにして最終セットに持ち込んだが、ストルフが最後の4ゲームを連取して勝利を掴んだ。
「試合の終盤になって、僕はふたたび出だしと同じくらいアグレッシブにプレーすることができたよ」とストルフは振り返った。
ドイツはデビスカップで3度栄冠に輝いた実績を持つが、最後の優勝は1993年まで遡る。ドイツは2007年以来となる準決勝で、ロシア(グループA・1位)とスウェーデン(グループB・2位)の勝者と対戦する。前日に勝ち上がりを決めていた第4シードのクロアチア(グループD・1位)は、もうひとつの準決勝でカザフスタン(グループB・1位)と第6シードのセルビア(グループF・2位)の勝者と顔を合わせる。
「我々は勝つためにできることをすべてをやった。我々は自分たちの旅が続くことを願っている。次の目標は、準決勝で勝つことだ」とストルフは語った。
イギリスはここ6大会で4度目の準決勝進出を目指していたが、あと一歩届かなかった。イギリスが最後にタイトルを獲得したのはアンディ・マレー(イギリス)がチームを率いていた2015年のことで、2年前にドイツと同じ準々決勝で対戦したときには、2勝0敗でイギリスが勝っていた。
「皆が打ちひしがれている。これは受け入れるのが難しい出来事だ」とイギリス代表チームのレオン・スミス監督は悔しさを滲ませた。
「どちらに転んでもおかしくない戦いだった。しかし今日は我々の日ではなかった。選手たちはベストを尽くしたが、それだけでは十分ではないこともある。ドイツは勝ち上がるに値した」
ファイナルズでは18ヵ国が3チームによる6グループに別れて総当たり戦を行い、各グループの1位と2位の中でもっとも成績のいい2チームが決勝トーナメントに進出して優勝チームを決定する。試合はベスト・オブ・3セットマッチで行われ、シングルス2試合とダブルス1試合で争われる。
昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。オーストリアがロックダウンに入ったためインスブルックでの試合は無観客で行われ、トリノが収容人数の60%に制限され、マドリッドは最大75%までの観客動員が許可されている。
2019年大会では7日間に渡って全試合がマドリッドで行われたが、プレーヤーやファンから時間が遅すぎてスタンドに空席が目立つナイトマッチと対戦の間に十分な休みがないことに対する批判が出たため大会期間を11日間に延ばして会場を3都市に分けて行うことを決めていた。(C)AP(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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