世界279位の伏兵ゴヨが勝利のお膳立て、ダブルスを制したクロアチアがイタリアを倒して準決勝進出 [デビスカップ・ファイナルズ]
男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(スペイン・マドリッド、オーストリア・インスブルック、イタリア・トリノ/11月25日~12月5日/室内ハードコート)の大会5日目は決勝トーナメントの準々決勝1対戦がトリノ会場で行われ、第4シードのクロアチア(グループD・1位)がホスト国のイタリア(グループE・1位)を2勝1敗で下してベスト4進出一番乗りを決めた。
シングルスで1勝1敗と星を分け合ったあと、世界ナンバーワンのダブルスチームであるニコラ・メクティッチ/マテ・パビッチ(クロアチア)がファビオ・フォニーニ/ヤニク・シナー(イタリア)を6-3 6-4で退けた。
第1試合はボルナ・ゴヨ(クロアチア)がロレンツォ・ソネゴ(イタリア)を7-6(2) 2-6 6-2で倒す番狂わせを演じ、クロアチアが勝利に近づく1勝目を挙げた。世界ランク27位のソネゴより252位も低いゴヨは第1セット1-4から巻き返し、その勢いのまま持ち込んだタイブレークを制した。ソネゴは第2セットを取り返して意地を見せたが、第3セットでミスを連発して第7ゲームでは3つのブレークポイントを決めきれなかった。
「シングルスで1勝する必要があることはわかっていたよ。僕たちはダブルスに自信を持っているからね」とクロアチアの勝利をお膳立てしたゴヨは語った。
「第3セットはどちらが取ってもおかしくなかった。1セットだけならどんなことも起こりえる。4-2からのゲームは本当に厳しかったけど、僕は何とかキープすることができた。だから、本当にうれしいよ」
第2試合ではシナーが2014年USオープン優勝者のマリン・チリッチ(クロアチア)とのエース対決を3-6 7-6(4) 6-3で制し、スコアをイーブンに戻した。今や世界10位のシナーはトリノで地元ファンの情熱的な応援で波に乗り、試合中に何度かより大きな声援を求めたりもした。
「もちろん、素晴らしい気分だ。もう声が枯れて喋れないほどだよ」とシナーは笑いながら話した。
3時間近くかかったシングルスに勝ったあと、シナーはシモーネ・ボレッリ(イタリア)に代わってダブルスにも出場した。しかし彼とフォニーニは今年のウインブルドンと東京オリンピックで優勝している熟練したメクティッチ/パビッチに対し、ブレークポイントを手にすることすらできなかった。
デビスカップで2度の優勝経験を持つクロアチアは準決勝で、水曜日にマドリッドで行われるカザフスタン(グループB・1位)と第6シードのセルビア(グループF・2位)の勝者と対戦する。
ファイナルズでは18ヵ国が3チームによる6グループに別れて総当たり戦を行い、各グループの1位と2位の中でもっとも成績のいい2チームが決勝トーナメントに進出して優勝チームを決定する。試合はベスト・オブ・3セットマッチで行われ、シングルス2試合とダブルス1試合で争われる。
昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。オーストリアがロックダウンに入ったためインスブルックでの試合は無観客で行われ、トリノが収容人数の60%に制限され、マドリッドは最大75%までの観客動員が許可されている。
2019年大会では7日間に渡って全試合がマドリッドで行われたが、プレーヤーやファンから時間が遅すぎてスタンドに空席が目立つナイトマッチと対戦の間に十分な休みがないことに対する批判が出たため大会期間を11日間に延ばして会場を3都市に分けて行うことを決めていた。(C)AP(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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