デビスカップ・ファイナルズがさらなる改革へ、2022年は開催地を増やし参加チームを削減
男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(スペイン・マドリッド、オーストリア・インスブルック、イタリア・トリノ/11月25日~12月5日/室内ハードコート)の決勝でロシア(グループA・1位)が第4シードのクロアチア(グループD・1位)を2勝0敗で下し、2006年以来となる3度目の優勝を飾った。
観客を増やしてこの刷新された大会を維持するため、来シーズンのファイナルズでは開催都市が増えて参加チーム数が減ることになると大会主催者は日曜日に明かした。国際テニス連盟(ITF)とこの大会の企画者であるコスモス・テニスグループは2022年大会では4つの都市がグループステージを主催し、もうひとつ別の会場(恐らくアラブ首長国連邦・アブダビ)で決勝トーナメントを行うことになると説明した。
2019年大会では7日間に渡って全試合がマドリッドで行われたが、今年はオーストリア・インスブルックとイタリア・トリノが加わり11日間に日程を拡大して行われた。昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。
次の大会は4つの開催都市がそれぞれ4チームによるグループステージを主催し、各組の上位2チームが決勝トーナメントに進出して優勝を争うことになる。過去2回は3チームによる6グループに別れて総当たり戦を行い、各組の1位と2位の中でもっとも成績のいい2チームが決勝トーナメントに進出していた。
2022年ファイナルズの参加国は、これまでの18チームから16チームに減ることになる。2年前の第1回大会で露呈したスケジューリングの課題に取り組む中、主催者は改革に取り組み続けている。
「我々は常にどのように改善して未来に向けて調整すべきかを考え、2022年大会を見据えています。グループステージを4つの違った都市が主催して決勝トーナメントを中立都市で行うようにすることで、我々はふたたび微調整して少し進化させようとしています」とコスモス最高経営責任者(CEO)であるエンリク・ロハス氏は語った。
「その小さな調整と変革によってより多くのファンを惹きつけ、より多くの観客がアリーナに足を運ぶようになると考えています。4つの都市があるため、地元チームを応援する観客を見込めるからです。それが真のテニスのワールドカップとして成功をおさめた大会となるために欠けていた最後のピースだと我々は考えています」
来年の決勝トーナメントを行う中立都市について、主催者は正式にアブダビに決まったことを伝えることができなかった。
「我々にはデビスカップのビジョンを共有する有力な都市があります。我々は大会を発展させ続けようという考えを分かち合っています」とITFのデビッド・ハガティ会長は述べた。
「それが主な要素のひとつです。我々はグループステージを主催する4都市すべて、そして決勝トーナメントを行うことになる有力都市にも遺産を残すことになります。しかるべき時期に、それがどこになるのかについて発表します」
開催地になることに興味を持つ都市の招致プロセスは、来年の1月に始まる。各都市は自分たちの案を提出するために6週間の準備期間を持ち、最終決定は3月半中旬に下される予定になっている。自国がファイナルズに出場できない場合に備え、予備の開催地も用意されることになる。
プレーヤーや監督の一部は、疲労の溜まるシーズンの遅い時期にアブダビまで移動しなければならないことについて懸念を示していた。
「我々が多くのプレーヤーや監督および各国テニス連盟と話して聞いた雑音はアブダビのことやその他のことでしたが、そういったことは何をするにしても常に起きるものだと私は感じています」ロハス氏は話した。
今季の新しいフォーマットに関して選手たちから受けたフィードバックについて、ハガティ会長は満足していた。
「我々が話をした選手たちは新しいファイナルズの経験を楽しみ、将来の大会を楽しみにしていると言っていました。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)、マリン・チリッチ(クロアチア)、ダニール・メドベージェフ(ロシア)の最近のコメントをお聞きになったと思いますが、我々の大会に関するビジョンは主要プレーヤーにも共有されているということを示しています」
プレーしたシングルス5試合で1セットも落とさずロシアの優勝に貢献した世界ランク2位のメドベージェフは、「それは変わらず、デビスカップだ。僕たちは今も変わらずノバクがプレーするのを目にしている。前回はラファが勝った。フォーマットが何であれ、世界最高峰のプレーヤーたちは国を代表することをうれしく思っているんだ」とコメントした。
ハガティ会長は2019年から学んだレッスンは「対処済み」であり、来年のフォーマットについて「必要とされる柔軟性をスケージュールに与えるだろう。より多くのファンを惹きつけ、大会の財政的な持続の可能性を確保するだろう」と発言した。
主催者はまた、2枠ある2022年ファイナルズのワイルドカード(主催者推薦枠)をセルビアとイギリスが獲得したと発表した。(APライター◎タレス・アッゾーニ/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Related
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ