メドベージェフが率いるロシアが15年ぶりの優勝、今季のチーム戦はロシアが席巻 [デビスカップ・ファイナルズ]
男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(スペイン・マドリッド、オーストリア・インスブルック、イタリア・トリノ/11月25日~12月5日/室内ハードコート)の決勝でロシア(グループA・1位)が第4シードのクロアチア(グループD・1位)を2勝0敗で下し、2006年以来となる3度目の優勝を飾った。
ドーピングによる国際スポーツ界での出場停止処分が現在も進行中のため正式にはRTF(ロシアテニス連盟)と呼ばれているロシアがデビスカップでタイトルを追い求めた15年の待ち時間は、ダニール・メドベージェフ(ロシア)がまたも見せたプレッシャー下で力を発揮するパフォーマンスのあとに終りを告げた。
メドベージェフは彼の素晴らしい1年を、第2試合のマリン・チリッチ(クロアチア)に対する7-6(7) 6-2の勝利で締めくくった。彼はクロアチアに対する2つ目の勝ち星を挙げ、母国に15年ぶりの栄冠をもたらした。
「素晴らしい気分だ。でも僕は自分自身よりも、チームのために喜んでいるんだ。僕らは驚くべきチームで、チーム内には素晴らしい雰囲気がある。このチームの一員になり、チームの勝利に貢献できて本当にうれしいよ」とメドベージェフはコメントした。
約3ヵ月前にUSオープン決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)を破ってグランドスラム初制覇を果たした世界ランク2位のメドベージェフにとって、これは今大会で5試合連続となるストレート勝利だった。
「本当に素晴らしい2週間だった。シーズンの終わりにここに来るのは決して簡単ではなかったけど、僕のキャリアの中でも最高の週のひとつになったよ」とメドベージェフは振り返った。
かなりの競り合いとなった第1セットを取ったあと、メドベージェフは第2セットでチリッチのサービスゲームを2度破って問題なく勝利を決めた。
「一日中ずっと厳しい試合だった。タイブレークを分けるのはほんの数ポイントだ。僕はセットポイントでダブルフォールトを犯してしまった。恐らくあれは重大なミスだったけど、今日勝つことができてよかったよ。本当に厳しい試合だったからね」とメドベージェフは試合後に語った。
第1試合ではアンドレイ・ルブレフ(ロシア)が最初のマッチポイントをものにしてボルナ・ゴヨ(クロアチア)を6-4 7-6(5)で倒し、ロシアが先勝していた。ゴヨは世界279位の選手として今大会に臨んだが、ここまでプレーした3試合で全勝していた。
日曜日に40歳で世界106位のフェリシアーノ・ロペス(スペイン)に敗れていたルブレフは、今大会のシングルスでの戦績を4勝1敗とした。彼はゴヨにブレークポイントを一度も与えず、相手のサービスゲームを一度だけ破って第1セットを先取したあと第2セットのタイブレークを制して勝利をもぎ取った。
2005年と18年に世界一になっていたクロアチアは、3度目のタイトル獲得を目指していた。
準優勝に終わったクロアチアのエースとしてプレーしたチリッチは、「それでも僕は、自分たちの頑張りを誇りに思っている。ダブルスの選手たちをコートに送り出すための1勝を挙げることができなかったことだけが心残りだよ」と話した。
クロアチアは今季のウインブルドンと東京オリンピックを制した世界トップのダブルスペアであるニコラ・メクティッチ/マテ・パビッチ(クロアチア)を擁していたが、シングルス2試合で決着がついたため力を発揮する機会を失った。
チームに世界トップ30プレーヤーを4人揃えたロシアは今年、チーム対抗戦の総なめを完了させた。ロシアは男子代表チームが2月にオーストラリア・メルボルンで行われたATPカップで第2代チャンピオンに輝き、女子代表チームは先月にチェコ・プラハで開催されたビリー ジーン・キング・カップのファイナルズで優勝していた。
この勝利はまた、デビスカップ史上もっとも長く監督を務めているシャミル・タルピスチェフ氏にとって特別な週の美しい仕上げとなるものだった。タルピスチェフ氏は1974年に初めて監督に就任し、土曜日のドイツに対する準決勝は彼にとって監督としての記念すべき100戦目だった。
国際テニス連盟(ITF)とこの大会の企画者であるコスモス・テニスグループは2022年大会では4つの都市がグループステージを主催し、もうひとつ別の会場(恐らくアラブ首長国連邦・アブダビ)で決勝トーナメントを行うことになると明かした。
今年のファイナルズでは18ヵ国が3チームによる6グループに別れて総当たり戦を行い、各グループの1位と2位の中でもっとも成績のいい2チームが決勝トーナメントに進出して優勝チームが決められた。試合はベスト・オブ・3セットマッチで行われ、シングルス2試合とダブルス1試合で争われた。
昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。オーストリアがロックダウンに入ったためインスブルックでの試合は無観客で行われ、トリノが収容人数の60%に制限され、マドリッドは最大75%までの観客動員が許可された。
2019年大会では7日間に渡って全試合がマドリッドで行われたが、プレーヤーやファンから時間が遅すぎてスタンドに空席が目立つナイトマッチと対戦の間に十分な休みがないことに対する批判が出たため大会期間を11日間に延ばして会場を3都市に分けて行うことが決まっていた。(APライター◎タレス・アッゾーニ/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
Pick up
-
2024-12-12
テニスマガジン今後の予定(部活および新刊情報)
CHECK1テニスマガジンONLINEテニス界の最新情報を毎
-
2024-12-12
サービス第二弾!テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)12月25日(水) 書籍&電子書籍同時発売
テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)20
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Related
-
2021-12-06
男子テニスのワールドカップ!~2021デビスカップ by Rakuten|トーナメント表
-
2021-12-06
ロシアがクロアチアを下して3度目の優勝、ATPカップに続き2021年チーム戦2冠を達成 [デビスカップ・ファイナルズ]
-
2021-12-05
ルブレフとメドベージェフを擁するロシアがズベレフ不在のドイツに勝利、ともに3度目の優勝を目指すクロアチアとの決勝へ [デビスカップ・ファイナルズ]
-
2021-12-04
世界トップのダブルスチームを擁するクロアチアがセルビアを倒して決勝進出 [デビスカップ・ファイナルズ]
-
2021-12-03
ルブレフとメドベージェフの勝利でロシアが前回大会に続くベスト4進出 [デビスカップ・ファイナルズ]
Pick up
-
2024-12-12
テニスマガジン今後の予定(部活および新刊情報)
CHECK1テニスマガジンONLINEテニス界の最新情報を毎
-
2024-12-12
サービス第二弾!テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)12月25日(水) 書籍&電子書籍同時発売
テニス丸ごと一冊サービス [技術の修正](堀内昌一 著)20
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『