「ジョコビッチほど偉大な選手が今回の件で記憶されるのは不幸なこと」オーストラリアン・オープンのメディアデーで語った大坂なおみ
今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月27~30日/ハードコート)の本戦スタート2日前のメディアデーで大坂なおみ(フリー)がオーストラリアン・オープンへの意気込みを語った。
「準備は順調にきている。ここに来られてエキサイティングだ。ふたたびロッド・レーバー・アリーナでプレーできるのはうれしい」
先週の大会をケガで棄権したが、その状態は?
「回復は早かった。今の段階としては最高の状態と言える。でもアスリートはいつでも痛みを抱えているもの。何も違和感を感じることなくグランドスラム大会を戦うのは不可能。それは理解しているし、いつでも完璧な状態でいることもできない」
前哨戦での成果は?
「復帰して初めての大会でどんなプレーができるかと思い、すべての試合で少し緊張した。それが一番重要なところでもあった。その大会で学んだことをオーストラリアン・オープンで生かしたい」
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の問題について。
「ある意味、それに関して自分の考えはそれほど重要でないと考えている。いろんな意見が出ているけど、一人の意見がすべてを変えることがないこともわかっている。不幸な状況ではあると思う。彼は偉大な選手なのに、今回の問題の印象で彼のことを記憶する人も多いだろうから。最終的に決めるのはオーストラリアの政府。彼のような状況下に置かれることは、自分にも少しだけ理解できる。批判が飛び交うし、他の選手が自分についてコメントするのを見るのはいいものじゃない。この問題をできるだけポジティブに考えたい」
君はグランドスラムを獲っているし、そのために必要なものが何かもわかっている。ノバクの状況が、再度優勝を狙うのにどれほど影響すると思うか。
「彼の性格はそれほどよく知らないから、彼と親しい人物に聞いたほうがいいと思う。私はテニス選手としての彼しか知らない。彼の性格は知らないの」
先日、自分のチームについて語っていた。テニスではチームを自分で雇うので、他のチームとは違うが、現在どんな関係性にあるのか。
「正しいチームと一緒にいるのはとても重要なこと。彼らと毎日のように一緒に過ごすから。皆のエネルギーが必要になる。誰か一人が落ち込んでいたら、チーム全体がうまくいかなくなる。コンスタントにコミュニケーションを取り合うことが大事。同じ方向に向かっていることを確かめる必要がある。パズルのようなもので、正しいピースを見つけなければならない」
チームに新しいメンバーを入れることについて。
「大きな転換期だと思う。新しいコーチを迎えるのは難しいけど、何か自分のプレーに新しいものをもたらしてくれるから、エキサイティングでもある。私は人間的にも常に成長したいと思っている。正しい人物を見つけるのは、少しスリリングな面もある」
ドローを見ると…
「言わないで!! 私はドローを見ないタイプなの。先を見ないで、自分が対戦する相手だけに集中している。昨日、出掛けていたんだけど、誰かがアシュリー・バーティ(オーストラリア)について教えてくれた。でも、それ以上のことは教えないで! 今はとにかく1回戦を突破することしか考えていない」
オーストラリアン・オープンでプレーすることの意味。
「この大会は私にとってとても重要なもの。初めて優勝したグランドスラム大会じゃないけど、いつもシーズンがここから始まるから、1年を戦うためのベースを作り上げる期間でもある。オーストラリアへ来るのは特別な気持ちがある。皆が温かく迎えてくれるし、ここで繰り広げた激しいバトルを思い出させてくれる。凄くポジティブな気持ちにさせてくれる」
Netflixでツアーとグランドスラムのドキュメンタリーが作られると発表されたが、どう思う?
「ツアーにとってとてもエキサイティングなこと。観客、興味を引くのに大きな役割を果たせると思う。以前、自分のドキュメンタリーを制作したとき、いつもカメラに追い回されているのは変な気持ちだった。私はミニカメラを用意してもらったのが凄くいいアイディアだと思った。どんな方法で作り上げるのか楽しみ」
グランドスラムが始まるけど、この2週間での準備はどう? 欠場期間から1大会ですぐにグランドスラムを戦う。
「この質問は試合を終えたときに答えたほうがいいかも。このグランドスラムに向けての準備は他の大会とは異なる。日々、どんなことを感じているのか日記をつけるようにしている。自分の部屋で過ごす時間がかなり長くなるから、そこでのルーティーンを作った。あとはチームの皆と楽しみたいと思う。会いたい選手もいる。グランドスラムの本戦ドローに名前があることは、ある意味大きなゴール。1日1日を大事に過ごしたい」
アシュリー・バーティについて。
「彼女は理想的なナンバーワン。とても継続性があり、昨年は彼女がどれほど犠牲にしているのかを見てきた。オーストラリアに戻ることなく、ツアーを転戦し続けていた。本当に大変だったと思う。昨年は彼女と一度しか一緒に練習していない。フレンチ・オープンでのことだった。1度だけはちょっと残念。彼女は素晴らしいし、とてもポジティブ。彼女と彼女のコーチは皆にとても優しい。彼女ことは大好きよ」(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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