「強制送還は酷い! 僕は変わらずノバクを尊敬する」1回戦でジョコビッチと対戦予定だったキツマノビッチ [オーストラリアン・オープン]

1回戦でサルバトーレ・カルーソ(イタリア)にストレート勝ちのミオミル・キツマノビッチ(セルビア)(Getty Images)


 今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月27~30日/ハードコート)の男子シングルス1回戦でミオミル・キツマノビッチ(セルビア)がノバク・ジョコビッチ(セルビア)の強制送還でラッキールーザー(予選決勝で敗れたが欠場者が出たため本戦出場権を得た選手)として出場したサルバトーレ・カルーゾ(イタリア)を6-4 6-2 6-1で下し、記者会見ではジョコビッチへの思いを語った。

「今日、いい試合ができて、もうひとつ戦えるのがうれしい」

君はセルビアのメディアに、ノバクの助けになることをしたいと言っていた。この試合に臨むのはどんな気持ちだった?

「残念ながら彼はプレーできずに去らなければならなかった。そしてノバクの代わりに僕の相手がラッキールーザーになった。ここでベストを尽くして彼のためにも勝ち進まなければいけないと思った。彼がこの2週間に経験したことに対して、僕らができることは少ない。でも、彼に寄り添ってこの辛い時期を少しでも楽に乗り越えられるように手助けしたい」

この10日間、尊敬するノバクがこのような状況になって君自身もきつかったのでは?

「簡単な時期ではなかったけど、彼が感じたことよりはだいぶマシだ。僕の意見では、この問題の扱い方はよくなかったし、もっとうまくやる方法があったはずだ。あのように強制送還されたのは酷い仕打ちだった。それでも僕は彼を尊敬している。彼は素晴らしいチャンピオンだから、今回起こったことを見るのは辛かった。彼とロッド・レーバー・アリーナで対戦するのが楽しみにしていたからね。素晴らしい試合になるはずだったのに。彼に同情するし、この苦しい時期を強くなって乗り越えると思う」

 他のセルビア人選手と今回の問題について話した?

「ああ、もちろん話したよ。僕らの試合の直前だったから話さない訳にはいかなかった。僕は実際に対戦する予定だったからね。僕らは自分たちの持てる力をすべて発揮して、ある意味彼のリベンジをして、彼を喜ばせたい。彼はセルビアを代表する最高の選手だから、国を代表して戦えないことは残念だ。僕らにできるのはベストを尽くして、何らかの形でその欠場を補えたらいいと思う」

フレンチオープンでもワクチン接種をしていない選手が出場できないルールの導入が議論されている。ノバクには、ワクチン接種を勧めたいと思う?

「その話は聞いている。ワクチン接種の免除がないかもしれない。でもそのあと、テニス選手は免除を受けられるという話を厚生大臣が言ったのも聞いている。正直、どうなるかはまったく予想できないけど、彼はすでに多くのことを成し遂げ、僕らのために多くのことをしてくれた。彼は最高の判断をするはずだし、自分のような12個下の若造のアドバイスなど必要ないと思う」

 キツマノビッチは2回戦で、トミー・ポール(アメリカ)と対戦する。

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写真◎Getty Images

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