2回戦敗退に悔しさを隠しきれないマレー「こんなプレーをしないためにたくさん練習を積んだのに」 [オーストラリアン・オープン]

写真はアンディ・マレー(イギリス/右)とダニエル太郎(エイブル)(Getty Images)


 今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月27~30日/ハードコート)の男子シングルス2回戦で、トップ復帰を目指して歩んでいた元世界ナンバーワンのアンディ・マレー(イギリス)が日本のダニエル太郎(エイブル)に4-6 4-6 4-6で敗れた。

 2度に渡る股関節手術からカムバックしてランキングを上げようと奮闘しているマレーは世界ランク113位で、今大会にはワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した。

 失望を隠せないマレーは来年も帰ってくるかと尋ねられ、「ああ、でもそれはもし僕が今季に今夜やったようなことを頻繁に繰り返さなかったらの話だ」と答えた。

「今季は僕にとって、様々な理由から本当に重要なシーズンなんだ。僕は大きな大会でいいパーフォーマンスをしたいと願っている。僕にとって、その意味で今夜は不十分だった。グランドスラム大会で2回戦進出という結果は、特に僕のモティベ―ションを掻き立てはしない。僕はもっといい結果を出したいんだ。今年は成績という面でどのようにやってのけられるか、大きな大会で自分がどんなパフォーマンスをするかにかかっている」

 5セットの死闘の末に第21シードのニコラス・バシラシビリ(ジョージア)を倒した2日後だったマレーだが「フィジカル面では問題なかったから、その点には満足している」と明言し、その代わりにプレー面では満足がいかなかったことを繰り返し示唆した。

「自分の未来はいくつかのこと次第だが、今夜のようなパフォーマンスは励ましにならない。これ以前にグランドスラム大会で100位以下の選手(ダニエルは120位)に敗れたことがあったかわからない。恐らくなかったと思う」と悔しさを滲ませたマレーはこの日、バシラシビリの強打を凌いでミスを誘った1回戦とは違う形でプレーすることを強いられた。

 ベーススラインから安定性のあるストロークを繰り出してくる相手に対して第1セットでのマレーはよりコート内に踏み込んで打ち、自分でチャンスを創り出して多彩なショットでポイントを取りにいかなければならなかった。しかしそれは予選と1回戦を通してセットを落とさずに勝ち上がり、既にいいリズムを掴んでいたダニエルの守備力を前にうまく機能しなかった。

 ダニエルが堅固なベースラインプレーに加えて要所で前に出てボレーで仕留めにくる中、マレーは自らのアンフォーストエラーにも足を引っ張られてフラストレーションを見せながら第1セットを落とすことになった。第2セットではよりスピードを加えよう試みたが、手にしたブレークポイントをものにすることができなかった。

 試合が進むにつれて逆に相手のレベルが向上し、ダニエルはミスを最低限に抑えながらも19本のウィナーを決めて2セットを連取した。マレーは第3セット4-4からブレークされると、自分への苛立ちからラケットを叩きつけて警告を受けた。最後はダニエルがサーブ&ボレーを決め、世界のテニス解説者はそれを「理にかなった勝利」と呼んだ。

「ダニエルは本当に堅固で動きもよく、勝利に値した」と試合後に相手を称えたマレーだが、「でも僕は自分がこんな風にプレーすることを期待してはいなかった。本当にがっかりしている。これは僕にとって特に難しい敗戦だ」と言い添えずにはいられない様子だった。

「僕にはもうあまり年月が残されていないだけに、本当にフラストレーションを感じる。大きな大会でこんなプレーをしないようにするためにオフシーズンに大いにトレーニングして準備をしてきたのに…。だからより一層がっかりさせられるんだ」とマレーは心痛を吐露した。

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写真◎Getty Images

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