キリオスとコキナキスの地元ペアが観客を沸かせつつもダブルス準々決勝へ [オーストラリアン・オープン]

写真はシードを連破して男子ダブルス準々決勝に進出したニック・キリオス(オーストラリア/右)とタナシ・コキナキス(オーストラリア)(Getty Images)


 今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月27~30日/ハードコート)の大会7日目に大きな注目を集めた試合のひとつに、ニック・キリオス(オーストラリア)とタナシ・コキナキス(オーストラリア)の魅力が爆発した男子ダブルス3回戦があった。

 ワイルドカード(主催者推薦枠)でダブルスに出場したふたりは2回戦で第1シードのニコラ・メクティッチ/マテ・パビッチ(ともにクロアチア)というダブルス世界1位と2位のペアを7-6(8) 6-3で撃破し、日曜日の3回戦では第15シードのアリエル・ベアル(ウルグアイ)/ゴンサロ・エスコバル(コロンビア)を6-4 4-6 6-4で倒して準々決勝に駒を進めた。

 ケガや病気に苦しめられた長い低迷期間から抜け出し初頭のアデレードを制してATPツアーのシングルスで初タイトルを獲得したコキナキスは今大会のシングルスでは1回戦で敗れたが、その失望を晴らす術はダブルスにあった。

 長年の友人であるキリオスが奇想天外なショットを繰り出して観客を大いに喜ばせる中、その様子を寛容に見守りながらきっちりプレーしたコキナキスはマッチポイントを絵に書いたようなポーチで仕留め、キリオスと宙で身体をぶつけ合って勝利を祝った。

「僕はこのデカイ奴を、彼がキャンベラの丸々太った子供だった頃から知っているんだ」とコキナキスは話した。今の精悍な面持ちから想像できないかもしれないが、子供時代のキリオスはかなりふっくらしていたのだ。

「彼は今、スリムでかっこいいよ。僕らは一緒に多くのことを潜り抜けてきた。僕らは楽しむためにプレーしているけど、ここに出てきてこのようなサポートを受け、こんな雰囲気の中でプレーできるとは本当に素晴らしいよ」

 これを受けて相棒のキリオスは、「オーストラリアン・オープンであとどのくらいの試合をプレーできるのか決してわからない。何ひとつ、当たり前と受け取ったりはしないよ。僕らはふたりともシングルスでは早い段階で敗れてしまったけど、ダブルスでここに出てきてこんな雰囲気の中でプレーできるとはまったく突拍子もないことだ」と興奮した様子で語った。

 ふたりは一緒に組んで2013年ウインブルドンでジュニアの部で優勝したことがあり、そのときもこの日やったようにジャンプして体をぶつけ合う仕草で勝利を祝っていた。

「ここ1ヵ月のプレーで明らかに大きな自信をつけたのだろう。彼(コキナキス)のプレーぶりは驚くべきものだ。そして何というか、僕はふたりのコンビがハマっている、コミットしていると感じている。恐らくこれまで一緒にプレーした中でも最高のダブルスをプレーしているよ」とキリオスはコメントした。

 コキナキス/キリオスは準々決勝で、第6シードのティム・プッツ(ドイツ)/マイケル・ビーナス(ニュージーランド)と対戦する。プッツ/ビーナスは3回戦で対戦予定だったワイルドカードのジェイソン・クブラー/クリストファー・オコネル(ともにオーストラリア)が棄権したため、不戦勝で勝ち上がっていた。

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles