メドベージェフが今年もチチパスに勝って決勝へ、主審への悪態を反省「集中力を取り戻せたことはよかった」 [オーストラリアン・オープン]

写真はステファノス・チチパス(ギリシャ)の父によるコーチングについて主審のジャウメ・カンピストール氏(右)に抗議するダニール・メドベージェフ(ロシア)(Getty Images)


 今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月27~30日/ハードコート)の男子シングルス準決勝で第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)が第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を7-6(5) 4-6 6-4 6-1で倒し、グランドスラム2大会連続優勝に王手をかけた。

 両者は昨年も同じラウンドで顔を合わせ、そのときもメドベージェフが勝者となっていた。

 決勝で21回目のグランドスラム制覇を目指す第6シードのラファエル・ナダル(スペイン)と対決することになったメドベージェフは、「世界でもっとも偉大な選手のひとりであり、グランドスラム大会で21個目のタイトルを狙う選手と僕は対戦することになる」と決戦に視線を向けた。

「準備はできている。ラファが非常に強い選手であること、この試合に勝とうとするためには自分のベスト見せなければならないことはわかっている」

 この試合は第1セットからタイブレークにもつれ込む競り合いになった。メドベージェフはタイブレーク1-4から巻き返して3-4からのチチパスのネットダッシュを正確なパッシングショットで抜き去って追いつくと、4-5からサービスエースとバックハンドのダウン・ザ・ラインを連続で決めてセットポイントを奪取し、最後はチチパスのアウトを引き出してセットを先取した。

 第2セットの出だしには主に自らのミスでブレークを許して結局そのセットを落としたものの、全体的に見れば安定性とショットの選択力などプレー内容でチチパスを上回っていたメドベージェフは、試合を通して勝つに値する戦いを見せた。そんな中で試合中にメドベージェフがチチパスの父によるコーチングを糾弾し、警告を与えない主審に侮辱的な言葉を吐いたことでメディアの注意がそちらのほうに集まってしまったのはやや残念なことでもあった。

「彼の父親はポイントのたびに話せるのか。質問に答えてくれますか?」とメドベージェフはベンチから主審のジャウメ・カンピストール氏に向かって叫んだ。カンピストール氏が反応しないでいると、メドベージェフは「馬鹿じゃないのか? 僕はあなたと話しているんだ。こっちを見ろよ。グランドスラムの準決勝で、どうしてそんなにお粗末でいられるんだ?」と悪態をついた。

 言ったあと直ぐに後悔したというメドベージェフは、「よくない感情が自分を助けているとは思わない。僕はそのためによく試合に負けているからね」と漏らした。

「やって直ぐ、間違いを犯したと思った。でも第3セットの出だしにふたたび集中力を取り戻せたことはよかったと思うよ」

 チチパスの父はこの試合の前にも何度かコーチングで警告を受けており、審判に注意されたチチパスが父に黙っているよう手振りで頼んだこともあった。

 一方のチチパスは試合後に「彼(メドベージェフ)のほうがいいプレーをしていた」と潔く認めた上で、「僕はこの経験をいい形で活かしたい。ネガティブなことに気持ちを集中させるようなことはしないよ」と前を向いた。

「これからたくさんのチャンスに溢れた長いシーズンが待っているんだ。僕はそれを掴み、自分から最高のものを引き出すように努力するよ。今日のパフォーマンスを、前進していくためのレッスンとして使うつもりだ」

 サービスの確率を上げてより強力な武器とするためにハードワークを積んできたことを明かしたチチパスは、「数ヵ月前にはサーブを打つたびに痛みを感じていたけど、今は痛みなく打つことができている。僕は痛みなくプレーし、より強くなって戻ってくるという然るべき手順を通り抜けられたことをうれしく、また誇りに思う」とも話した。

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写真◎Getty Images

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