今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」（オーストラリア・ビクトリア州メルボルン／本戦1月27～30日／ハードコート）の男子シングルス準決勝で第2シードのダニール・メドベージェフ（ロシア）が第4シードのステファノス・チチパス（ギリシャ）を7-6(5) 4-6 6-4 6-1で倒し、記者会見で試合中にアンパイアに激高した理由を語った。

何故、あそこまで怒っていたんだ？　ステファノスとコーチがインチキをしているのか？

「インチキじゃない。まず、最初にブレークされて頭にきた。アンパイアがもっとうまく観客をコントロールして欲しいと思った。”Quiet Please”と言ってね。あまり言ってくれなかったし、ダブルフォールトをして自分に対して怒っていることを表現したら、コードバイオレーションを受けた。皆が叫んでいる中では、左手で集中してトスを上げられない。だからサービスが最悪だった。すべてのリターンでチチパスの父は何かギリシャ語で話していた。もしかしたら“頑張れ、頑張れ”と言っているのかもしれない。それなら問題ない。そこでアンパイアに彼は話すことが許せるのかと聞いたら、“話すのはOK、コーチングはダメ”だと言った。だから、“ギリシャ語がわかるのか？”と聞いたんだ。わからないならずっと話し続けるぞと。彼が何と言ったのかはわからない。コーチングがインチキだとは思わないが、コードバイオレーションを与えられるべきだ。2度目を出すのは難しいのだろうが」

コートの去り際、アンパイアに言った“子猫ちゃん”はどういう意味だ？
    
「君らが笑っているということは、面白かったのかもしれない。でも僕は完全にキレていた。すべての面で自分をもうコントロールできていなかった。だからこそ勝てたのはうれしいんだが。これまで多くの試合でこのような状態になったときはミスを連発してきたから。熱くなって集中力を失ってしまうんだ。だからこそ、次のゲームは15-40と最悪のスタートになった。せっかく優位に進めていたのにそれを失いかけた。そこから早く元に戻れたのはよかった」

アンパイアを馬鹿、子猫ちゃんと呼んだりしたことを後悔したことはないのか？

「いいことじゃないから、いつも後悔している。すべてのアンパイアは全力を尽くしてくれていることもわかっている。テニスでは拳で戦うことはないが、でもバトルなんだ。1対1の勝負。だからこそ、あのような状況でも感情を爆発させない選手は称賛に値すると思う。僕はすぐに爆発するし、気持ちをコントロールするのは本当に難しい。ずっと課題として取り組んでいるよ。多くの試合では何とかコントロールできた。5年前、キャリアの最初の頃は誰も自分に注目していなかったが、態度が相当悪かったと思う。でも今はそこに取り組んでいて、それができれば勝利に近づくことができる。100％後悔している。熱くなっていたんだ」

 ラファエル・ナダル（スペイン）は長くツアーを戦っているけど今日のような瞬間は見たことないが、それをどう思う？

「僕らは皆、ラファが普段どんな人間かを知っている。こう言っていいのかわからないけど、彼は完璧な奴だ。彼が何故ラケットを破壊しないかと聞くと、若い頃にゲームのコントローラーを壊した話、コーチのトニーがやるべきじゃないと指導したという話もある。でも難しいんだ。テニスをしない友人でもコントローラーを壊す奴もたくさんいる。人はこういうことでキレるけど、ラファは自分を素晴らしくコントロールできる。それだけだ」

ステファノスが君のことを成熟していないと言ったが、それに対して何と答える？

「あまり深く突っ込みたくないな。ステファノスに対して何かを言った訳でもないし、彼のことを話した訳でもない。ただ、ルールについて言っただけだ。彼の父が何を言っていたのかわからないしね。もしかしたら、“切り替えて次のポイントに行こう!”と言っていただけかもしれない。それならまったく問題ない訳だ。でも僕がリターンする直前に何かを言うから、どこにサービスを打つべきか伝えているんじゃないかと思ってしまう。でも、ギリシャ語がわからないから何とも言えない。アンパイアの件も一緒だ。彼もステファノスと話すべきなんだ。父にコーチングしないように伝えるようにね。もし、僕のコーチがフランス語で1ポイントごとに何か言ってきたら、“それはルール違反だ！”と言って制止するだろう。繰り返すが、ステファノスには何も言うことはない」