公益財団法人全国高等学校体育連盟などが主催する「大正製薬リポビタン第44回全国選抜高校テニス大会」（3月20～26日／団体戦：3月21～25日◎福岡県福岡市・博多の森テニス競技場、個人戦：3月23～26日◎福岡県福岡市・博多の森テニス競技場博多の森テニス競技場＆福岡県春日市・春日公園テニスコート／砂入り人工芝コート）の競技3日目の団体戦は、男女の3回戦と準々決勝が行われた。

　女子の準々決勝は、浦和麗明（埼玉）が初出場ながらも選手層の厚い西宮甲英（兵庫）に3勝2敗で辛勝し、第一薬科大学付（福岡）は静岡市立（静岡）に3勝0敗で勝ち、前年の優勝校で四日市商業（三重）は松商学園（長野）に敗れたほか、野田学園（山口）が相生学院（兵庫）を下してベスト4が出揃った。

「勢い」というのはこういうことを言うのだろう。3回戦で最多出場の名門であり、同じ北信越のライバルでもある仁愛女子（福井）を3勝1敗で退けた松商学園は、準々決勝でもその波に乗った。昨年の大会ではベスト4で敗れ、決勝進出を逃した相手である四日市商へのリベンジを果たした。


準々決勝のシングルス1で勝ち星を挙げた砂田未樹（松商学園2年）（撮影◎上野弘明）

　シングルス1でキャプテンの砂田未樹（2年）と、ダブルス1の金子妃美香／山﨑さくら（ともに2年）が伸びやかなプレーでチームを勢いづかせ、スタートダッシュに成功した。シングルス2は四日市商が取り、同時進行していたダブルス2とシングルス3の結果次第となったが、いずれもゲームを先行し、?田琴美（1年）が8-0で圧勝するとチームは歓喜に沸いた。


準々決勝のダブルス1で勝ち星を挙げた金子妃美香（右）／山﨑さくら（松商学園2年／2年）（撮影◎上野弘明）

　就任2年目の山田哲生監督は、「松商の強みであり、武器は“いい雰囲気”で試合に臨むこと。それが競り勝てた理由のひとつだと思います。昨年準決勝で負けていたので、挑戦者の気持ちで戦えたし、練習でやっていることは出せたと思います。ただ、準決勝、決勝で勝つには小さな修正も必要です」と、さらに気持ちを引き締めた。

　チーム全員が静岡の選手で全国優勝を目指す静岡市立は、鳳凰（鹿児島）に対する3回戦で、2勝2敗からシングルス3の飯塚仁珠（1年）が接戦を制して準々決勝へ進出した。第一薬科との対戦には杉本暁監督も、「まだ入ったことのないベスト4を目指したい」という思いで臨んだが、ふたたび来年以降へ持ち越しとなった。

　昨年のインターハイ決勝で敗れた第一薬科は、地元・福岡で開催されているセンバツでの優勝を渇望している。創部3年で、少しずつ部員を増やしながら和気あいあいと戦っているのが特徴だ。


チームの仲のよさが団体戦のパワーでもある第一薬科大学付（福岡）（撮影◎上野弘明）

　第一薬科の貝野弘幸監督は「チーム一丸、日本一をスローガンにやってきたので、力を出せるように頑張り、最後は笑って終わりたい」と言い、キャプテンの宮原千佳（2年）も「明日以降も気合や負けない心、強い心で戦いたい」と意欲を燃やす。

　3月24日の準決勝からは3セットマッチとなり、浦和麗明と松商学園、野田学園と第一薬科が対戦する。（ライター◎保坂明美）