18歳にしてマスターズ初優勝の快挙を達成したアルカラスをスペイン国王フェリペ6世が電話で祝福「試合より緊張した」
ATPツアー公式戦の「マイアミ・オープン」(ATP1000/アメリカ・フロリダ州マイアミ/3月23日~4月3日/賞金総額955万4920ドル/ハードコート)の男子シングルス決勝で、第14シードのカルロス・アルカラス(スペイン)が第6シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)を7-5 6-4で倒してキャリア最大のタイトルを獲得した。
キャリア初のATPマスターズ1000大会の決勝を戦った18歳のアルカラスは、2月のリオデジャネイロに続くツアー3勝目を挙げた。彼はまた同大会37年の歴史で最年少の男子優勝者になると同時に、同種目で初のスペイン人チャンピオンにもなった。
決勝に5度進出していたラファエル・ナダル(スペイン)を筆頭にダビド・フェレール(スペイン)、古くはナダルの現コーチであるカルロス・モヤ(スペイン)やデビスカップ監督のセルジ・ブルゲラ(スペイン)などがあと1勝まで迫ったが、ここまで男子スペイン勢の優勝は実現していなかったのである。
序盤の劣勢を覆した決勝を含め大会を通して卓越したスキルだけでなくそのメンタルの強さを証明したアルカラスだが、スペイン国王のフェリペ6世から突然祝福の電話を受けたときには緊張感を隠せなかったという。
「スペイン国王から電話を受けるなんて、驚くべきことだ。僕は試合より、あの電話でのほうがずっとナーバスになったよ」とアルカラスは笑みを浮かべながら話した。
「毎日積んだハードワークと勝利をスペインの国王が祝福してくれるなんて、途轍もなく凄いことだね。そのようなものをスペイン国王からの受け取るなんて、考えてみたこともなかったし信じられないよ」
アルカラスは決勝後の記者会見で、コーチのフアン カルロス・フェレロ(スペイン)が決勝で落ち着きを保つ手助けをしてくれたのだと明かした。
「これが僕が初めて経験する(ATPマスターズ1000レベルでの)決勝だということは皆が知っているけど、これを大会最初の試合であると考えるようにするんだと彼は言ったんだ。マスターズ1000レベルでは2度目だった準決勝でやったのと同じように、緊張感に対処することが大事だということを教えてくれたよ。僕は自分のゲームを遂行しようとし、決勝云々については考えないようにした。ただ進み続け、この大会で毎試合やってきたようにメンタル的な強さを持ち続けようと彼はアドバイスしてくれた。そしてこの瞬間を楽しみ、試合を楽しんで最初のマスターズ決勝を謳歌し、それを獲りにいこうとね」
2018年からアルカラスのコーチを務めてきたフェレロは父のエドゥアルド氏が大会前に他界したため日曜日までマイアミにいなかったが、決勝のために駆け付けてアルカラスにうれしい驚きを贈っていた。
「フアン カルロスはプロフェッショナルな意味でも個人的な面でも、僕にとって非常に重要な人物だ。彼はその両面で僕を助けてくれている。僕らは人生のあらゆること、テニスのあらゆることについて話をするんだ。サッカーについてもね」とアルカラスは明かした。
「僕はフアン カルロスのことを、コーチであり友人であると見なしている。だから彼にすべてについて話すことができるんだ」
優勝の瞬間について、「最後のポイントを勝ち取ったとき、この瞬間を夢見ていた日々のことが頭に蘇ったよ。もっと若かったとき、僕はマスターズ1000の大会で優勝をすることを夢見ていたからね」とアルカラスは振り返った。彼はサーブ&ボレーを決めて喜びの声を上げると、コートに背中から倒れて大の字になった。
「コートに倒れたとき、そのことを思い出したよ。すべての夢やつぎ込んできたすべてのハードワークとトレーニング、すべての困難…。あの瞬間、こういったすべてのことが心に蘇ったんだ」
得意とするクレーコートシーズンが始まろうとする今、アルカラスは世界ランク自己最高の11位に到達した。インディアンウェルズとマイアミのハードコートで10勝1敗という好成績を挙げた彼は、どちらのサーフェスでも手応えを掴んでいる。
「僕に言えるのは、僕はクレーコートで2つ、ハードコートでひとつのタイトルを獲ったということだけだ。僕は両方のサーフェスで心地よさを感じている。だからクレーコートでもハードコートでも構わないよ」
写真◎Getty Images
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