ナダルが今季好調のキツマノビッチを倒して復帰戦に勝利「本当に価値のある勝利」 [マドリッド・オープン]

写真はラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ムトゥア・マドリッド・オープン」(ATP1000/スペイン・マドリッド/5月1~8日/賞金総額749万9290ユーロ/クレーコート)の男子シングルス2回戦で、第3シードのラファエル・ナダル(スペイン)がミオミル・キツマノビッチ(セルビア)を6-1 7-6(4)で下してベスト16に進出した。

 上位8シードは1回戦がBYEで免除されており、ナダルはこの試合が初戦だった。3月のインディアンウェルズで決勝に進出したナダルはテイラー・フリッツ(アメリカ)に敗れて今季の全勝記録を止められたが、その直後に肋骨を疲労骨折していたことが発覚した。これはナダルにとって復帰戦だったが、彼はまったく錆びついた様子を見せなかった。

「カムバックというのはそれぞれ違う。すべてのカムバックを分析するため、これまでの状況をまとめる必要があった。母国のクレーコートでここ数ヵ月にとてもいいプレーをしている選手と対戦した今日の試合は、僕にとって非常に重要なものだった」とナダルは試合後の記者会見でコメントした。

「すべてを考えれば、これは非常に厳しい初戦だ。僕はそれをとてもうまく対処できたと思う。いいプレーができたから、勝てて凄くうれしいよ。僕はすべてが完璧にいくことはないと自覚する謙虚さを持とうとしている。正しい決意をもって前に進み、戦わなけれなばらないことを受け入れ、前向きであり続ける必要がある。正しい姿勢でプレーし、勝てた試合はすべて“ここでもう一度プレーするためのプレゼント”として受け止めねくちゃね」

 今季の戦績を21勝1敗としてナダルは、過去5度タイトルを獲得しているここマドリッドで2017年以来の優勝を目指している。

「今日は本当に幸せな気分でコートをあとにした」と話したナダルは、「自分に正直でなければならない。準備は皆無に等しかった。最初はあまり大きなことは期待できない。何故ならここに来る前、(ケガをしてから)最初の練習は先週の木曜日だったんだからね。本当に少ししか練習していなかったんだ」と明かした。

「すべての練習にはアップダウンがあった。まるでジェットコースターのようだったよ。いい日もあれば悪い日もあったけど、それは当然のことだ。昨日は少し感覚がよくなり、今日も試合前のウォームアップでいい感じだった。全体的に見て、いい試合ができたと思う」

 ケガから戻ってきたときによく好成績をおさめているナダルは、「僕は今日、ここ数ヵ月にとても調子がよかったキツマノビッチを相手に1時間55分もプレーした。本当に素晴らしい勝利だし、大きな価値がある。実戦での1時間55分は、以前の体調とフィットネスレベルを取り戻すという最終目標の助けになるはずだ。凄くワクワクしているよ」と今回の復帰戦を振り返った。

「カムバックして最初の試合に勝てば、リズムを取り戻すことができる。反対にもしカムバックして勝てなかったら、負けのサイクルに入ってなかなか試合のリズムを取り戻すことができなくなるかもしれない。だからこそ、最初の試合がカギなんだ。僕にとって今日の勝利は、その理由から大きな価値をもつものだった」

 ナダルは次のラウンドで、ボティック・ファン デ ザンツフープ(オランダ)を6-4 6-2で破って勝ち上がった予選勝者のダビド・ゴファン(ベルギー)と対戦する。

 母国でのプレーすることを重視しているナダルは、「僕は自分の年齢を自覚しており、ここの観客の前でプレーするチャンスがあと何回あるかわからないから、できる限り楽しもうと思っているよ」と語った。

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写真◎Getty Images

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