キャリア最長となるシーズン開幕からの連勝を「20」で終えたナダルがクレーコートシーズンに向けて再出発
ATPツアー公式戦の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズ/3月日10~20日/賞金総額955万4920ドル/ハードコート)の男子シングルス決勝で第20シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)が第4シードのラファエル・ナダル(スペイン)を6-3 7-6(5)で倒し、2001年に成し遂げたアンドレ・アガシ(アメリカ)以来となるアメリカ人チャンピオンに輝いた。
この試合で通常通りのプレーを阻むことになったケガについて話したあと、ナダルは20連勝で終わった今季出だしの進撃とその先にも言及した。
第1セットのナダルはミスも早く、どう見て正常な状況ではなかったが、メディカルタイムアウトを取ったあとの第2セットにはより試合の核心に戻っていき、最後まで勝利を目指して戦い抜いた。
「正直に言って痛みはあり、まともに呼吸ができず眩暈を感じた」と肋骨の辺りを指しながら説明したナダルは、「肋骨に問題があるのか、まだわからない。プレーを制限されるような痛みだった」と打ち明けた。
「敗戦については、直ぐに受け入れた。試合が終わる前に受け入れていたよ。問題はかなりの痛みがあることだ」
最初にナダルが痛みを感じたのは、第19シードのカルロス・アルカラス(スペイン)に対する準決勝の終盤だった。それはミネラルウォーターのボトルが吹き飛ぶほどの強風に見舞われた試合で、選手たちは風のせいでたびたび非常に無理な体制で打ったり、急に身体の向きを変えて風のいたずらに対応したりすることを強いられていた。
このケガを負う前に恐らくエネルギー管理の目的でマイアミ・オープン出場を取り消していたナダルは次に、クレーコートシーズンに向けてケガからの回復と準備に取り組んでいくことになる。
今季ここまで負けなしだったナダルは、連勝が「20」で止まったことについて「正直に言えば、完璧な記録のままクレーコートシーズンに臨みたかったよ。ここまでは本当に素晴らしかった。今日はしっかり戦うことができなかったから、やっぱり悲しいね。このような感情になるのは辛いことだ」と心中を明かした。
「でもスポーツの世界では、過去について話すべきではない。僕たちは現在のことについて話す必要があり、今日は僕にとって厳しい日だった」
35歳のナダルは今、彼がもっとも愛する時期であるクレーコートシーズンに目を向けている。
「僕は状況に応じて感情的に落ち込んだり、非常に高ぶったりするタイプの人間ではない。僕はすべてを大局的に見て、通常は(感情的に)安定している。もちろんここ2ヵ月は素晴らしく、忘れがたいものだった。非常に感動的でもあった。僕は数ヵ月前にはもう二度と味わえないだろうと思っていたようなことを謳歌したんだからね」とナダルは語った。優勝したオーストラリアン・オープンの数ヵ月前、ナダルは足のケガのために松葉杖をついていた。
「今はこの(肋骨の)問題を可能な限り迅速に解決し、クレーコートでスタートを切ろうとするべきときだ。シーズンの中でも僕の大好きな部分に向けた練習が始まるんだ。もちろん、すべての大会が僕にとって特別なものだ。しっかり準備できるように願っているよ」
写真◎Getty Images
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