ズベレフを圧倒したアルカラスが史上2番目の若さでマスターズ2勝目「本当に感動的な出来事」 [マドリッド・オープン]

写真は史上2番目の若さでマスターズ2勝目を挙げたカルロス・アルカラス(スペイン)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ムトゥア・マドリッド・オープン」(ATP1000/スペイン・マドリッド/5月1~8日/賞金総額749万9290ユーロ/クレーコート)の男子シングルス決勝で第7シードのカルロス・アルカラス(スペイン)が第2シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を6-3 6-1で下し、ATPマスターズ1000大会で4月のマイアミに続くふたつ目のタイトルを獲得した。

 この日のアルカラスは持ち前の多彩なショットと軽快な動きで大会連覇を目指していたズベレフを終始圧倒し、戦いにスリルすら与えなかった。これでアルカラスは、トップ10プレーヤーに対して7連勝をマークした。

「彼らのようなトッププレーヤーたちを打ち負かすことができるというのは、素晴らしい気分だ。史上最高のプレーヤーをふたり、それから世界3位のズベレフを倒したんだからね。彼は素晴らしい選手だ。これは僕の人生で最高の1週間だよ」とアルカラスはオンコートインタビューで語った。

「僕は19歳だ。これが長く厳しい試合を連続で戦うことができるようにするためのカギだと思う。体調は凄くいいよ」

 この大会中に19歳になったアルカラスは2時間28分の戦いの末に第3シードのラファエル・ナダル(スペイン)を退け、それから第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)に対する3時間36分の死闘から勝者として抜け出してこの決勝に至った。これにより彼は同じクレーコート大会でナダルとジョコビッチの2人に勝った初のプレーヤーとなっただけでなく、ふたつのマスターズ大会を制した史上2番目に若い選手にもなった。ちなみに最年少は、2005年に18歳でモンテカルロとローマを制したナダルとなっている。

 シーズン末にイタリア・トリノで開催されるATPファイナルズ出場を目指すと公言するアルカラスは今年の獲得ポイントのみで争われるレースランキング(Race to Turin)でナダルに次ぐ2位に浮上することが確実となり、今季の勝利数は男子ツアー最多の「28」となった。2位は27勝のステファノス・チチパス(ギリシャ)で、25勝のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)がそれに続いている。

「ラファ(ナダル)がこのトロフィーを掲げている姿を観たことが、この瞬間のためにハードワークを積むための力を僕に与えてくれたんだ。僕にとって素晴らしい瞬間だよ。これは僕が観た初めての大会でもあるから、今日このトロフィーを掲げるというのは本当に感動的な出来事だ」とアルカラスはこの大会へ思いを吐露した。

 一方で敗れたズベレフは表彰式で、「おめでとう。いま現在、君は世界最高のプレーヤーだ」とアルカラスに惜しみない賛辞を送った。

「今後多くのグランドスラム大会で勝ち、世界1位になるような新しいスーパースターがいるということはテニス界にとって素晴らしいことだ。彼はこの大会でも、これから何度も優勝することだろう」

 これに先立ち行われたダブルス決勝では、第7シードのヴェスレイ・クールホフ(オランダ)/ニール・スクプスキー(イギリス)が第5シードのフアン セバスチャン・カバル/ロベルト・ファラ(ともにコロンビア)を6-7(4) 6-4 [10-5]で倒して今季4勝目を挙げた。


男子ダブルス優勝のヴェスレイ・クールホフ(オランダ/左)とニール・スクプスキー(イギリス)(Getty Images)

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写真◎Getty Images

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