「周りにいろいろ言われたくないからSNSをやめた」2大会連続2回戦敗退から復活を目指すバドーサ
今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)のメディアデーで、昨年初の準々決勝進出とブレイクしたパウラ・バドーサ(スペイン)が記者会見の臨んだ。
ここに戻ってきてどんな気分?
「またパリに戻って来られてとても楽しんでいる。いつも言っているようにこれは特別な大会でいい思い出がある。試合が待ち遠しいわ」
今年は優勝候補としてこの大会に臨む。この1年でどう変わった?
「グランドスラム大会で初めてシードされたのがこの大会でとても興奮していたのを憶えている。だから、この1年でいろんなことが変わったと想像できると思う。新しい経験やチャレンジ。今は異なる立ち位置にいるけど、そこからまた学び、楽しめればいいかな」
今年のオーストラリアン・オープンで調子はよさそうだったけど、疲労が見えた。今大会に向けての準備はどう?
「あのとき自分で疲れたと言ったのを憶えている。前哨戦からたくさんの試合を戦っていたから。今は全然違う状況。素晴らしいチャレンジ、新しい経験を自分でコントロールできるようにしたい。クレーコートは好きなサーフェス。あまりたくさんの試合をこなしてこなかったけど、大事なのは落ち着いて気持ちを高めて戦うこと」
このところ高いシードで期待も大きいから難しいと感じている?(マドリッド、ローマともに第2シードも2回戦敗退)
「正直、この数週間いろんなことがあった。トップ10になったから、今年は最初から期待が大きい。いろんなことが重なっている。試合が少し多過ぎたり、ホームで戦うのは簡単じゃなかった。ちょっと試合が多過ぎて精神的にやられて、フレッシュな状態じゃなかった」
「期待が大きいときに早々に負けてしまうとプレッシャーは感じるし、プレスもファンも“どうしちゃったの?”となる。難しい状況だけど、今はそれを学んでいるところ。うまく対処できるようにしたい。すべてが新しい経験だから、少し怖いと感じるし、対処するのが難しいとも思う」
「うまく対処できるときもあるし、いろんな大会で注目されているのを感じる。コートで余計なプレッシャーを感じず思い切りプレーして、自分のレベルを上げることを考えている。緊張もあるけど、落ち着いて対処してコートで楽な気持ちになれればいいプレーができるし、勝ち上がれるはず。それを見つけるためにここフレンチ・オープンにいるの」
SNSをやめたと言っていたが、そう思ったきっかけは?
「あまりにプレッシャーを感じていたから、この2週間は早いラウンドで負けたけど、相手がかなり強かった。《シモナ・ハレプ(ルーマニア)とダリア・カサキナ(ロシア)》負けても全然おかしくない相手だった。プレッシャーは特に地元スペインにいるときに感じてしまった。今は自分のレベルを上げて常に100%出しきることが目標。もちろん負けたくない気持ちは誰よりも強いし、周りからいろいろ言われるのも嫌だ。批判が自分の助けにはならないから。私は感情のないロボットじゃない。だから、いろんな意見をもう読まないようにしたの。もし誰かが私をインスタやツイッターでタグ付けしているのなら、ごめんなさい。今はもう読んでないの。これが私自身を守る第一歩だと思っている」
コロナによる制限が解除され、多くの人がスタジアムに来る今大会についてどう思う?
「スタンドが埋まり、素晴らしい雰囲気でエネルギーを感じられるから大いに助けになると思う。選手たちは既に感じていると思うし、凄くいいこと。私はファンのエネルギーを感じるのが好きだから、とても楽しみにしている。この大会は何年か前、少女のときに一ファンとして来た大会だから、特別なの。いつもファンの愛情を感じられ、それがパフォーマンスを上げてくれる。厳しい状況のときに自分を応援してくれる人がいて、声援やエネルギーを感じるのは素晴らしい。通常の状態に戻りつつあるのは本当にうれしい」
初めてファンとしてここに来たときは何歳だった?
「10歳。いつもラファ(ナダル/スペイン)を観に来ていた。彼は私のアイドルで、熱狂的なファンだから。でも、他の試合もたくさん観戦していた。今でも他の選手の試合を観るのが好きで、今大会の予選も観ている。新しい選手がどんどん出てくるのは観ていて楽しい」
この大会は君にとってジュニアの頃から特別な大会だった。この2週間は苦しんでいるけど、パリに来てリセットできた?
「何かが変わればいいなと願っている。でも気持ちはもう切り替えた。ここに来て落ち着いているから、リセットできたのかもしれない。チームも助けてくれている。ここのコートが好きだから、それも助けになるはず」
「パリは何度も訪れている街。私の故郷に凄く近いから、家族旅行でも何度も来た。大好きな街。大会中は時間がないかもしれないけど、美しい街だから散歩くらいはしたいなと思う」
写真◎Getty Images
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