「僕の試合はどうでもいいのか?」フレンチ・オープン1回戦勝利もウインブルドン関連の質問に苛立つハチャノフ

今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の男子シングルス1回戦で、第21シードのカレン・ハチャノフ(ロシア)が予選勝者のヌーノ・ボルヘス(ポルトガル)を6-3 2-6 6-4 6-4で下した。
「正直言うと、相手のことはほとんど知らなかった。予選3試合を勝ち上がったったことくらいだね。僕にとっては初戦だから、簡単ではなかった。彼は安定した素晴らしいプレーをした。彼の結果をチェックして、コーチと一緒に試合の映像も観ていたから、どんな展開になるのかは予想できた。4セットで勝てたことに満足している。一番大事なのは勝ち抜くことなんだ」
ウインブルドンの決定とペナルティについてどう思っている?
「僕の試合について聞かないのか? 僕の試合はどうだっていいんだな?」
気にはなるけど、私が聞きたいのは…
「いいよ、質問を続けて」
法的手段に出ることなど考えていない? この大会後、しばらくグランドスラム大会に出られないのは気持ちの面で影響した?
「最初の質問はウインブルドンについてだよね? ウインブルドンの決定について? それとも違うこと?」
ウインブルドンの決定についてで、それに対して抗議するのか?
「それは考えていない。何度も言ったけど、この決定は残念だ。昨年いい成績を残した大会に出られないのは残念だ。僕ら皆にとって特別な大会なんだ。僕らはプロの選手で毎日テニスに努力をつぎ込んでいる。法的手段を取ることはまったく考えていない」
この決定はコートに立つとき何らかの影響がある?
「このすべての状況から影響を受けないと言ったら嘘になる。僕らは大きな変化の中にある。僕らが望まなくても、皆が僕らと関連付ける。それでも自分のすべきことに集中しようとしている。フレンチ・オープンに出られることにとても感謝している。だから、このチャンスを最大限に生かしたい。正しいことに集中して前に進みたい」
ロシア人選手としてATP(男子プロテニス協会)がウインブルドンのポイントを加算しないと決めたことは正しいと思う?
「ウインブルドンはイギリス政府に反対するために、この制裁を決めた訳じゃない。では、何故フレンチ・オープンも同じ決定を下さなかったのか? それを僕を含めた皆が自分自身に問いかけることができる。ATPが今回の発表をしたのは、ツアーではどんな差別も認められないという姿勢を見せて、僕らをサポートしてくれた。僕は大会組織が下した決定に従うだけだ。僕が反対だろうと賛成だろうと、このことで議論したくない。決定に満足しているか否かで議論することはない。僕は昨年いい成績を残した。ポイントは落ちるだろう。ウインブルドンに出られない。以上だ」
この状況で一番の目標、チャレンジは? どんな気持ちでロラン・ギャロスに来た?
「チャレンジは毎日あるようなものだ。僕は黄色いボールを追いかけ続ける。それをなるべく多く相手コートに返して、できるかぎりたくさんの勝利を手にしたい。ロラン・ギャロスは大好きな大会。この4年間いい成績を残している。ここに戻って、通常の状態に戻っているのを感じる。2020年、21年はコロナで、ここで孤独を感じた。ここで満員のスタジアムを見ると2019年に戻ったかのようで、この2年間のことを忘れられる。素晴らしい雰囲気でいいエネルギーをもらえるし、本当にうれしい。この状況が続けばいい」
今日の試合の雰囲気の素晴らしさ、ファンのリアクションはどうだった?
「ポルトガル人のファンが多かったことに驚いた。フランス人よりも熱狂的に叫んでいた。ここの雰囲気はいつも素晴らしい。特に満員のときはね。このようなスタジアム、雰囲気でプレーするのが大好きだ。本当に素晴らしい雰囲気だった」
今日の試合でファンが心から君を歓迎しているようだった。
「ああ、そうだったね。フランスでプレーするのは本当に楽しい。ファンも僕のことを受け入れてくれているんじゃないかな。マルセイユ、リヨン、パリはベルシーで何度も試合をしているし、大好きな大会だ。ロラン・ギャロスもね。ファンもテニスが大好きで試合にのめり込んでくれる。たくさんのテニスクラブがあり、一般の人も皆がプレ―して楽しんでいる。そしてファンの応援も素晴らしい。後押してくれているのを物凄く感じられた」
ハチャノフは2回戦で、ドミニク・ティーム(オーストリア)を倒したウーゴ・デリエン(ボリビア)と対戦する。
写真◎Getty Images
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