「ベラルーシ、ロシア、ウクライナの選手でエキシビションマッチをするアイディアがあった」ジョコビッチがウインブルドンの判断に猛反発!

フレンチ・オープン1回戦で西岡良仁(ミキハウス)にストレート勝ちしたノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 ATP(男子プロテニス協会)とWTA(女子テニス協会)がウインブルドンのポイントを加算しないという決定を下したことについて、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が自身の考えを明らかにした。 

「個人的にはオーストラリアとウインブルドンで1年前に獲得した4000ポイントを今年は守るチャンスが得られないということだ。だから、その決定の影響は自分にとってはかなりマイナスになる。実は、この数日間ATPの会長や組織の人間、会員たちといろいろ話をしたんだ。選手たちがATPと一緒になって、男子テニス界、グランドスラムに対して、何か間違いが起きているとき、今回はウインブルドンのミスであるが、その決定の余波は必ずあるということを団結して示すことができたのはよかった」

「僕はいつでも選手と組織の味方だ。いつもそうしてきた。今後もそうし続ける。もちろん、ウインブルドンや英国テニス協会(LTA)にはその決断を下す権利がある。例えば、数日前にイギリス政府からウインブルドンの主催者であるオールイングランド・クラブに書面による通知があったが、その中にはいくつかの選択肢があった。一つだけではなかった。オールイングランド・クラブはATPの誰とも、個人の選手ともベラルーシ人選手、ロシア人選手の扱いについて話し合わなかった。両者が妥協できるポイントを探る、何か解決策を探るためにコミュニケーションと相互理解が必要なのに。だから、2ヵ国の選手を排除したことは、間違った決定だと思う。まったく賛成できない。でも現在の状況では物凄くデリケートな問題で、どんな決断を下しても残念なことに、団結の代わりに多くの対立と分断が生まれただろう」

「WTAとATPの提案で、グランドスラムの間にでもベラルーシ、ウクライナ、ロシアの男女の選手たちが集って、エキシビションマッチを行い、その賞金をウクライナで犠牲になっている人々に寄付するというアイディアもあったんだ。でも、残念ながらウインブルドンの側から積極的にコミュニケーションを取ることはなかった。だからこそ間違いだったと思う。ただポイント加算をなくすよりも、よりよい解決法はあったはずだ。すべての選手が影響を受けてしまった。僕のように昨年いい成績を残した選手は、ポイントを得るチャンスがなくなるだけでなく、ポイントを守ることさえもできない。ポイントを得るチャンスを逃す選手もいる。この状況は奇妙で珍しいものだ。それでもグランドスラムはグランドスラム。ウインブルドンは子供の頃から変わらず僕の夢だ」

「重要なのはポイントや賞金じゃない。そのほかのものだ。でも、一定の基準、お互いへの敬意が必要だ。どんな方法でも悪い影響を受ける選手は一定数出てくるから、彼らは不平を言うだろう。とても難しい問題だ。何が正しく、何が間違っているのか判断するのが難しい。このような状況と決定では、誰かしらが多くの犠牲を払うことになる。すべての人にとってマイナスになる、“ルーズ・ルーズ”なシチュエーションだ」

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写真◎Getty Images

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