「フェデラー、ナダルと同じ時代にナンバーワンになるのは意味が全然違う」準々決勝でナダルと対戦するジョコビッチ [フレンチ・オープン]

フレンチ・オープン4回戦でディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)に勝利のノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の男子シングルス4回戦で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第15シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を6-1 6-3 6-3で下してベスト8に進出した。

おめでとう!2006年の初出場から1大会を除いてすべて準々決勝に進んでいるね。

「ありがとう。知らなかった。教えてくれてありがとう。グランドスラムはいつでも最重要視してきた大会だ。僕はいつもここで最高のパフォーマンスを見せたいと思ってきた。そのような好成績を残してきたこと、そして今も強さを継続できているのはうれしい」

今大会、注目カードは午後の遅い時間帯かナイトセッションに行われている。君はどちらのほうがいい? 準々決勝や準決勝の前に大会ディレクターに自分の希望を聞かれたりしている?

「トップ選手としてリクエストはできるけど、いつも通る訳じゃない。大会ディレクターとテレビ放映権を持つ者が決定権を持っていると思う。選手はそれに順応するしかない。相手にもよるけど、ナイトマッチのほうがいいときはある。いつでも最良の時間帯がある訳じゃない。他のグランドスラム大会、特にオーストラリアでは照明の下で多くの試合で勝利してきたけどね」 

今日の試合では今大会コート・スザンヌ・ランランでプレーするのが2度目だ。コート・フィリップ・シャトリエより小さいが、コンディションは難しい可能性がある。実際どう?

「日中の試合でもまったく問題なかった。21時スタートよりいいよ。コンディションもかなり違った。気温が低く、コートはかなり遅かった。夜はさらに遅くなり、バウンドも低くなる。それは自分よりも相手に優位に働くと思う」

次の準々決勝ではラファエル・ナダル(スペイン)と対戦することになった。

「ドローが発表されたとき、準々決勝でのナダルとの対決は誰もが予想したこと。彼とロラン・ギャロスで戦うときは、他の誰と対戦するときよりもフィジカル面できつい戦いになる。ここまであまり長時間の試合がなかったのはポジティブだ。ロラン・ギャロスでプレーするときは、いつでも最大の難関になる。でも準備はできている。ここまで自分の感触は凄くいい。やるべきことに集中する。チャンスは十分あると思う」

世界ナンバーワンになってかなり長い期間となった。1位になることの長所と短所を教えてくれる?

「答えはその質問の中に含まれていると思う。ナンバーワンになるのは最高でもあり、最低でもある。トップになるためには特にテニスのような個人競技では物凄いチャレンジになる。僕は幸運にもキャリアの中で何週間もトップになってきた。毎シーズン、それが最大の目標になる。ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)という歴代最高の選手と同じ時代にプレーしているのだからね。だからこそ、トップに立つことはより大きな意味を持つ」

「逆に1位になることのデメリットはいつも追われる立場で、どんなカテゴリーの大会だろうとすべての試合で相手が全力で倒そうとして、トップから引きずり降ろそうとしてくる。でも幸運にも追われることには慣れてきた。僕からトップの座を奪い取ろうとする選手たちの挑戦を受けることは、さらに大きなモティベーションになっている」

「ナンバーワンを目指すには、シーズンを通していいプレーを継続しないといけないから、大きなチャレンジだ。1大会だけ活躍することは誰でもできるし、1ヵ月いいプレーすることはできる。でも、年間1位になるには11ヵ月いいプレーを続けて、自分のポイントを守らないといけない。つまり、そのようなプレッシャーに常に晒される訳だ」

「この時代に1位を目指すのはエベレスト登頂を目指すようなものだ。この15年くらいは、昔とは異なり、ナンバーワンを目指す選手はシーズンを通して戦い続けないといけなくなった。グランドスラム1~2大会を欠場したら直ぐに落ちてしまう。すべてがプロフェッショナルに組織され、すべてのポイントが重要になる。今ナンバーワンの座にいるのは、昔よりも大きな価値があると思う」

ロラン・ギャロスで2016年に初優勝するまで決勝で3度負けている。大変だったはず。だが、今はもう2度も優勝しており、その意味でこの大会は特別なものではなくなった?

「ここで優勝するまで何年もかかった(11年)。多くの決勝、準決勝、長いマラソンマッチで負けて心に傷を負ったことも何度もある。特にラファ相手にはね。2016年の優勝は物凄く特別なものだった。何よりも大きな解放感があった。その後もここで継続していいプレーを続け、幸運にも昨年も優勝できた。僕にとってはここで優勝するのは他のグランドスラム大会よりも難しいのだと思う。昨年のこの大会で優勝したときの2週目の試合はおそらく、これまでグランドスラムで優勝した中でもっともタフな4試合だった。だからこそ、この大会が特別なものだと感じられる」

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写真◎Getty Images

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