今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」（フランス・パリ／本戦5月22日～6月5日／クレーコート）の男子シングルス準々決勝で、第20シードのマリン・チリッチ（クロアチア）が第7シードのアンドレイ・ルブレフ（ロシア）に5-7 6-3 6-4 3-6 7-6(10-2)で競り勝ちベスト4に進出した。

　2014年に優勝したUSオープンを含め他の3つのグランドスラム大会で一度ずつ決勝に進出した経験を持つ33歳のチリッチだが、ロラン・ギャロスでの4強入りはこれが初めてとなる。

　この日は全般に見て幾分優位に試合を進めながら第5セットのスーパータイブレークにまでもつれ込んだチリッチだったが、そこではパワフルなサービス、リターン、ストロークで主導権を握って後手に回ったルブレフを圧倒した。

　タイブレークでのアグレッシブな姿勢について尋ねられチリッチは、「それが僕という人間なんだ」と説明した。

「僕は試合を通し、そのようなテニスを行使した。特に第5セットは信じられないようなバトルだったよ。アンドレイは非常にいいプレーをしていた。本当にフェアプレーのパフォーマンスだったと思う。お互いにハートを込めて戦い、ひとりが負けなければならなかった。今日は僕に有利な方向に転んだけど、アンドレイは素晴らしいプレーをしていたよ」

　前のラウンドで第2シードのダニール・メドベージェフ（ロシア）をストレートで下したことが示すように、今大会のチリッチは並外れた勢いに乗っている。チリッチはこの4時間10分の戦いの間に、33本のサービスエースを含む88本のウィナーを決めた。

「アンドレイは難しいテニスをする。サービスは強いし、ストロークもパワフルだ。多くのチャンスはなく、レベルを高く保ち続けなければならないけど、僕はそれをやってのけた。残念なことに僕は第4セットを落とした。もう少しでブレークできると感じていたけど、アンドレイがいいプレーをした。またこのような長い試合になると、必ず試合中に多少のアップダウンは出てくるものだ」とチリッチは試合を振り返った。

　チリッチがグランドスラム決勝の舞台に戻るためには、準決勝で23歳のキャスパー・ルード（ノルウェー）を倒す必要がある。グランドスラム大会でベスト16がこれまでの最高成績だった第8シードのルードは、ナイトセッションで19歳のオルガ・ルーネ（デンマーク）との北欧対決を6-1 4-6 7-6(2) 6-3で制して勝ち上がった。