今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」（フランス・パリ／本戦5月22日～6月5日／クレーコート）の男子シングルス準決勝で、第8シードのキャスパー・ルード（ノルウェー）に6-3 4-6 2-6 2-6で敗れた第20シードのマリン・チリッチ（クロアチア）が試合を振り返った。

第2セット4-5での彼のサービスゲームで0-40の場面がターニングポイントになったと思う？

「ああ、そうだね。第2セットで少し流れが変わってしまった。第1セットはかなりよかった。サービスがよかったし、うまく変化もつけることができ、アグレッシブに戦えた。キャスパーが徐々に調子を上げ、サービスゲームを楽に取れるようになって、よくなっていった。第2セットの終わりと第3セットの初めが勝負の分かれ目になったかもしれない。この10日間に比べると、この試合での僕のレベルは少し落ちてしまった。準々決勝で感情を少し解放し過ぎたのかもしれない。現在素晴らしいプレーをしているキャスパーとの試合は間違いなく大きなチャレンジでもあった」

この2週間の活躍は今後のグラスコートシーズンに向けて、どれほど希望になる？

「この数週間、かなり状態がよかった。感触が凄くよくなり、この5～6試合では本当にハイレベルなプレーができた。今日の試合の一部もかなりよかった。その点には満足している。このレベルで今後も戦い続けること、高いレベルを維持することが今後のチャンレジになる。そうすれば、いい結果がついてくると思う」

試合後、ネット越しでキャスパーにどんな言葉をかけた？

「ナイスゲーム、素晴らしい試合だったと称えただけさ。彼は素晴らしかった。決勝でも頑張って欲しい。最後の3セットは本当に強く、高いレベルを維持した。素晴らしかった。彼を称えたい」

ラファエル・ナダル（スペイン）との決勝でチャンスはあるだろうか？

「もちろん。決勝なんだから。キャスパーは調子がいい。僕が正しいなら、彼らは初対戦じゃないか？　それならメリットもデメリットもある。当然、ここでホームのような場所で戦うことはラファにとってはメンタル面で大きなアドバンテージになる。キャスパーは今回が初めての決勝なんだから。でも彼は本当にいいプレーをしている。いつも冷静だ。今日のプレーを決勝でも見せるはずだ」

君はグランドスラム4大会でこのフレンチ・オープンだけは決勝に進んだことがない。“ビッグ４”のいる時代に自分の位置はどこだと思う？　スタン・ワウリンカ（スイス）、フアン マルティン・デル ポトロ（アルゼンチン）と近い位置なのかな？

「まったくわからないよ。ワウリンカは3度グランドスラム大会で優勝して素晴らしいキャリアを送っている。僕は自分の目標しか見ていないし、ベストを尽くしているだけ。長い間、あまりいいプレーができていなかった中で、今大会は本当に素晴らしいものだった。凄く自信になるよ。今後も前に進むモティベーションになる」

では、デル ポトロよりは上？

「難しいな。デル ポトロのほうがより高いレベルで安定した成績を残してきた。彼にケガがあったから、僕のほうが長くプレーしている。彼が継続して好成績を残したのを見ると、本当に素晴らしい」

君は何度かラファ、キャスパーと対戦しているが、似ている点はある？

「キャスパーはある意味、ラファの右利き版と言える部分もある。リターンのときのポジションも深い。ループを多用するし、物凄いフォアハンドも打つ。そしていつも冷静だ。決勝は間違いなく面白い試合になるよ」

気候変動に抗議する若者が登場して15分間試合が中断した。それが影響した？

「大した影響じゃなかった。ロッカーに戻って待っていたから。コートに戻ったときお互いのレベルは中断前とほぼ一緒だった。それ以上言うことはない」

今日の自分のサービスの調子には、コンディションなど外的な影響があった？　それとも彼のリターンがよかった？

「この試合には2つのパートに分かれる。試合の後半は気温が下がり、重くなった。そこから彼は多くのリターンを返してきた。一方で自分はフォアハンドの感触が他の試合に比べて悪かった。これらの要因で何度かブレークされた」

ラファとアレクサンダー・ズベレフ（ドイツ）の試合がかなり長引きそうな雰囲気だった。ズベレフと顔を合わせた？

「すぐウォームアップに行ったから、会っていない。ロッカールームでリラックスしていて、彼が転倒したシーンは見ていない。スローモーションは観たくなかったな。観るのが辛いシーンだった。でも何と言えばいいんだ？　あの試合であんなことが起きるなんて信じられない」

今大会での君の復活は素晴らしいものだ。

「ああ、今はいい感触でいいプレーができている。今日はアンラッキーだし、準決勝での敗退は残念だ。でもこれからも旅はまだ続く。また素晴らしい瞬間がやってくることを願っている」