ハレプが終盤の追い上げをかわして準決勝へ「大きな意味がある」 [ウインブルドン]
今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の女子シングルス準々決勝で、第16シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)が第20シードのアマンダ・アニシモワ(アメリカ)を6-2 6-4で下してベスト4に進出した。
2020年が中止で昨年はふくらはぎのケガで出場できなかったため、ハレプは2019年に優勝してから3年間もオールイングランド・クラブのコートに足を踏み入れていなかった。
「ウインブルドンの準決勝に戻ってくることができて、本当にうれしい。今、凄く感情的になっているわ。これは私にとって大きな意味がある」とハレプは試合直後のオンコートインタビューで語った。
ケガによる離脱期間を乗り越えてここに至ったことを振り返り、「昨年は本当に苦労し、私はずっと自信を築き直そうとしてきた。私は今、それをやり始めているわ。今日は観客の皆さんが、多くのエネルギーを与えてくれた」とハレプは言い添えた。
出だしから主導権を握ったハレプは6-2 5-1まで快調に突き進んだが、そこからアニシモワがレベルを引き上げて反撃を開始した。アニシモワは2-5からブレークし、次のゲームをキープして4-5と追い上げた。
ここで流れは完全にアニシモワに傾き、ハレプは2度目のサービング・フォー・ザ・マッチでもたちまち0-40と劣勢に立たされた。しかしハレプは次のポイントで難しいバウンドの浮き球を叩いてウィナーを奪い、悪い流れに歯止めをかけることに成功した。続いてラリー戦でアニシモワに2本のミスが出てデュースに追いつくと、ハレプはファーストサーブを入れてさらに2本のリターンミスを引き出し試合に終止符を打った。
最後に雲行きが怪しくなりはしたがストレートで試合を決めたハレプは、「彼女は失うものがないという感じですべてのボールをハードヒットしてきたから、まったく簡単じゃなかったわ。でも私は彼女が5-5に追いつくことを拒んだ。一時は0-40にされたけれど、私は自分を厳しく駆り立てた。私のサービスはとてもよかったわ。私は6-4で試合を終わらせられると信じていた。本当に信じていたの」と終盤のプレッシャーを振り返った。
「(終盤に)彼女がボールを叩き込んできてどうすればいいかわからなかったけど、私は自分を信じた。両脚でそこに強く踏みとどまらなければならなかったわ。それが今日、私を助けてくれた」とハレプがコメントしたことについて、かつてグランドスラム大会を7度制したレジェンドでテレビの解説者を務めるマッツ・ビランデル(スウェーデン)は「終盤、彼女(ハレプ)は少し硬くなっていたね。5-4の0-40から巻き返してキープしたのはいい頑張りだったよ。だからこそ彼女がオンコートインタビューで『脚』が必要だったと言ったのが興味深かった」と指摘した。
「腕が硬くなっていたから、彼女は脚を頼みとしたんだろうね。これは賢明だよ。経験の賜物だ。何故ならナーバスになると腕にくるものなんだけど、脚はナーバスになったときに頼れるもっともいい道具なんだ」
同大会での連勝を「12」に伸ばしたハレプは準決勝で、アイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)を4-6 6-2 6-3で破って勝ち上がった第17シードのエレナ・リバキナ(カザフスタン)と対戦する。
両者は過去3戦してハレプが2勝しているがいずれも2時間半近いタフマッチで、2020年のドバイ決勝が3-6 6-3 7-6(5)、昨年のUSオープン3回戦は7-6(11) 4-6 6-3でハレプが勝者となっていた。
「彼女がビッグヒッターだということは知っているわ。彼女とは何度か対戦したことがあるから。彼女はここウインブルドンで準決勝に進出し、自信に満ちていることでしょうね」とハレプは次戦を見据えた。
「でもこれは新しい試合、新しい挑戦よ。私は準備ができていると感じている。そしてチャンスをものにするために全力を尽くすわ。フィジカル的にもメンタル的にもいい状態よ」
写真◎Getty Images
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