疑念を乗り越えたガルシアがWTA1000大会で優勝した史上初の予選勝者に [ウェスタン&サザン・オープン]

写真は優勝を決めた瞬間のカロリーヌ・ガルシア(フランス)(Getty Images)


 WTAツアー公式戦の「ウェスタン&サザン・オープン」(WTA1000/アメリカ・オハイオ州シンシナティ/8月15~21日/賞金総額252万7250ドル/ハードコート)の女子シングルス決勝でカロリーヌ・ガルシア(フランス)がペトラ・クビトバ(チェコ)を6-2 6-4で退け、予選から勝ち上がってWTA1000レベルの大会で優勝した史上初のプレーヤーとなった。

 28歳のガルシアはここ9日間で8試合に勝ち、第4シードのマリア・サカーリ(ギリシャ)、第7シードのジェシカ・ペグラ(アメリカ)、第6シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)といったトップ10選手を倒した末に2017年以来となるWTA1000レベルでのタイトルを獲得した。そして今週の活躍により、彼女は大会後に更新される世界ランクで17位に浮上することが確実となった。

「純粋な幸福感を感じている。ただただ幸せよ。すべての勝利は非常に重要で、すべてのタイトルが特別だわ。優勝はそう頻繁に起こることじゃないから、心底楽しまなければならない」とガルシアは喜びを表現した。

「私はこの素晴らしい1週間に、またタイトルを獲れたことに感謝している。すべての試合と毎日が新しい1日であり、新しい挑戦だった。私は毎回、自分自身と自分のテニスに集中しなければならなかった。自分に何ができるのか、どうすればよりアグレッシブになれるかばかり考えていたわ。1日ごとに取り組んでいった結果、最終的に今日の決勝に辿り着いてトロフィーを掲げることができたのよ。WTA1000ではすべてがあっという間に進む。だから毎朝集中しなければならない。厳しい挑戦だけど、やり遂げたことにとても満足しているわ」

 6月以降に女子ツアーの誰よりも多くの試合に勝っているガルシアは、この再浮上の要因のひとつとして新しくコーチに就任したベルトラン・ペレ氏とともに築いた『超アグレッシブな』プレースタイルを挙げた。

「ツアーにデビューした当初の私は、そんなふうにプレーしていた。それは私にとって、機能するスタイルだった。私はそんな風にテニスをするよう学んで育ったの。でもそれで常に勝てる訳ではないから、時折疑念が頭に入り込むようになった。他人の言うことは忘れるようにしているけど嫌でも耳に入ってきて、有名な人物がそういうことを言っているのを聞いたりすると影響を受けてしまう」とガルシアは葛藤の過程を説明した。

「それから私は疑念を抱くようになった。それで攻撃と守備を中途半端に半分半分といったやり方をしたんだけど、もはや機能しなくなってしまったの。下がってアンフォーストエラーを減らすようにしたけど、コート内に入って打っていないからウィナー数も減ってしまうという感じだったわ」

 2017年にブレイクしたガルシアはフレンチ・オープンでベスト8に進出するなどして翌年には世界ランク自己最高の4位に浮上したが、2022年の彼女は70位台でシーズンをスタートし、春には足のケガで一時戦列を離れてロラン・ギャロスで復帰したばかりのところだった。

 “アグレッシブにプレーすることが勝利への道”というはっきりした考えを得たガルシアは、そのようにプレーした今週にビッグタイトルを獲得した。

「自分がどれほどベースラインの内側に立ってアグレッシブにプレーしているか気付いてないこともあるけど、それが私にとってうまく機能するやり方なの。健康を取り戻してしっかり練習できるようになってからは、今年ここまでは間違いなくそれでいい成績を挙げているわ」とガルシアはWTA(女子テニス協会)のインタビューで語った。

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写真◎Getty Images

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