ペトコビッチがUSオープン後の引退を発表「私の物語は語り尽くされた」

写真はアンドレア・ペトコビッチ(ドイツ)(Getty Images)


 今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月29日~9月11日/ハードコート)の女子シングルス1回戦で第13シードのベリンダ・ベンチッチ(スイス)に4-6 6-2 4-6で敗れたあと、34歳のアンドレア・ペトコビッチ(ドイツ)が大会後の引退を発表した。

 現在の世界ランクは104位だが2011年にキャリア最高の9位をマークしたペトコビッチはWTAツアーのシングルスで7つのタイトルを獲得し、2014年フレンチ・オープンで準決勝に進出した。彼女はまた2011年にウインブルドンを除く3つのグランドスラム大会で8強入りした。

「大好きでリスペクトしているベリンダに対し、このような形で終えることができてうれしいわ」とペトコビッチは試合後の記者会見で語った。

「また闘志や粘り強さ、テニスと対戦相手への敬意という私がキャリアで大事にしてきたものすべてを最後の試合に持ち込むことができてよかった」

 家族や友人の前で別れを告げるために母国ドイツでエキシビションを行う可能性もあるとした上で、この決断は2週間前のシンシナティで明確になったのだとペトコビッチは明かした。

「私は変わらずテニスを愛し、テニスへの大きな情熱を持っている。自分が望むようにプレーしたり練習したり、フルシーズン戦い抜くことを許してくれなくなったのは心ではなく体なの」

 勝利後のダンスや記者会見での鋭い機知で人気のあったペトコビッチはキャリアを通して何度もケガからカムバックしてきたが、ここ最近はちょっとした身体の問題が積み重なって一貫性のあるスケジュ―ルでプレーすることができていなかった。

「ここ4週間は痛み止めと抗炎症剤を服用しながらプレーしていた。これ以上続けられないと決断させたのはその部分だったの。情熱やテニスへの意欲がなくなった訳じゃないわ。それはある意味でもっとも悲しい部分だったかもしれないわね」

 決断する上でもっとも難しかったのは試合に先立つ日々の感情に対処することだったというペトコビッチは、同じく今大会後の引退を示唆したセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がどのようにしてそれに対処して初戦に勝つことができたのかと訝った。

 ペトコビッチはトロントでこの決断を発表しようと思っていたが、朝起きたときにセレナが世界でもっとも影響力のあるファッション誌『VOGUE』に掲載されたエッセーで引退を仄めかしたことで世界に衝撃を与えたことを知った。注目がセレナに集中していることは、ある意味で彼女にとって幸運だった。

「私は今年になって初めて自分の物語は語り尽くされ、新世代があとを引き継ぐのだと感じたの。私はテニスに与えられるすべてを捧げた。確かにセレナほどではないけど、自分の小さな世界ではすべてを注ぎ込んで物語が完結したような気がするわ」

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles