なぜ選手たちは試合後にサインしてはいけないのか? [東レPPO]
3年ぶりの開催となる国内最大のWTAツアー公式戦「東レ パン・パシフィック・オープンテニス」(WTA500/東京都江東区・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/本戦9月19~25日/賞金総額75万7900ドル/ハードコート)の女子シングルス1回戦で大坂なおみ(フリー)が1-0リードの第2ゲームでダリア・サビル(オーストラリア)が膝を痛めてリタイヤしたため勝利し、試合後にスタンドにいるファンにサインをしてあげるなどファンサービスをさせてもらえないことに戸惑っていた。
「久しぶり戻ってこられてうれしい。たくさんの子供たちも観にきてくれたから、当然サインをしてあげたかった。できなかったのは凄く残念。いつか、彼らに何らかの形でお返しがしたい」(大坂なおみ)
自分のプレーを楽しみにしていたファンが、たった数分しか試合を観られなかった。せっかく来てくれたのだから、できるかぎりファンサービスをしたいと思っていたはず。しかし、させてもらえなかった。大坂は悲しそうな表情を浮かべた。
その前日には土居美咲(ミキハウス)も同様の話題に触れていた。
「選手と触れ合えたり、選手と写真を撮ったりする交流を楽しみにしているファンが会場に来てくれる。私たち選手もサインをしてあげたい。日本の状況を理解はしているけど、もうちょっと日本のファンの皆さんと触れ合いをさせてもらえないかなと思います」
日本人の2人だけでなく、他の外国人選手たちからもファンサービスをしたいという声が大会側に届いているという。ファンサービスができない理由を大会関係者に聞いた。
東京都内において、観客動員1万人以上のフルキャパシティで大会を開催するためには多くの項目について書面で提出する義務があり、その中のひとつに選手と観客の接触防止策が求められている。東京都に“フルキャパシティ”を認めてもらうには、選手と観客を接触させないことが条件となっているのだ。
試合以外のイベントで選手がサイン会を開催しているが、そのときはファンが持参したものではなく大会側が用意した色紙にサインをして手渡し、握手などの接触も禁止されている。大会側としても選手とファンとの交流を阻むことは心苦しく、現状況の中では最後まで選手にファンの前でプレーしてもらうために必要な措置であるという。
10月に開催される楽天ジャパンオープンも同じ有明コロシアムのため、同じ条件下での開催になるようだ。しかし、あまりに厳しい対策にファン、選手ともに不満を抱いており、現状のままでは誰もハッピーにならない。東京都ではテニス以外にも数万人単位の観客を動員するイベントが今後も多々行われるはず。都が定める厳しい条件が、一刻も早く緩和されることを願うしかないようだ。
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