『新四銃士』のひとりシモンが愛してやまないテニスのキャリアに別れ

写真は引退セレモニーでのジル・シモン(フランス/右から3人目)、左端は最後の対戦相手となったフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ロレックス・パリ・マスターズ」(ATP1000/フランス・パリ/10月31日~11月6日/賞金総額600万8725ユーロ/室内ハードコート)の男子シングルス3回戦で今シーズン限りで引退することを決めていた37歳のジル・シモン(フランス)が第8シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)に1-6 3-6で敗れ、20年余りのキャリアに別れを告げた。

 ジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)、ガエル・モンフィス(フランス)、リシャール・ガスケ(フランス)とともに『新四銃士』(元祖“四銃士”は1920年代から30年代に活躍したフランスのジャン・ボロトラ、ジャック・ブルニョン、アンリ・コシェ、ルネ・ラコステ)と呼ばれ、2009年に世界ランク自己最高6位に至ったシモンだが、現在は188位にまで落としていたため今大会にはワイルドカード(主催者推薦枠)で出場していた。

 キャリア最後の大会ながらシモンは1回戦で元世界ナンバーワンのアンディ・マレー(イギリス)を4-6 7-5 6-3で退け、2回戦ではイタリア・トリノで開催される世界トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」初出場を目指していた第9シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)を7-5 5-7 6-4で倒す番狂わせを演じ、コートの上で最後の輝きを見せた。

 月曜日の夜にマレーと対戦するためセンターコートに入るとき、シモンはその日までの895試合と同じプレッシャーを感じたと明かした。

「すべての試合で感じたのと同じストレスを感じた。同じ論理、同じルーティンだからね。プレーする大会や試合があり、準備しなければならない。結局のところ、それが僕が知っている唯一のことだ。試合に向けて準備を整えることは僕が20年間やってきたことだから、そこに集中するのは難しいことじゃないよ」

 オジェ アリアシムに対してキャリア最後の試合を戦い終えたシモンは、「テニスプレーヤーでいられたことを本当に幸運だと感じている。ずっとなりたいと思っていたものだったからね。僕は長いことプロテニスプレーヤーだったから、2重にラッキーだ。そして僕は自分が望むときに止めることができたから、3倍ラッキーだったよ」と喜びを口にした。

 長いツアー生活で通算504勝394敗という戦績を残したシモンは、「僕はずっとテニスを愛してきた。テニスは僕にとって非常に興味深いもので、とても面白いスポーツだ。本当に多くのレベルで非常に多くのことがある。フィジカル面、技術面、メンタル面のすべて必要なんだ。凄く素敵で、最高のスポーツだよ」と溢れるテニス愛を語った。

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写真◎Getty Images

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