今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」（オーストラリア・ビクトリア州メルボルン／本戦1月16～29日／ハードコート）の女子シングルス決勝で第5シードのアーニャ・サバレンカ（ベラルーシ）が第22シードのエレーナ・ルバキナ（カザフスタン）とのバトルを4-6 6-3 6-4で制し、同種目でのグランドスラム初タイトルを獲得した。

　勝利をまずうれし泣きで祝ったサバレンカはシャンパンを手に現れた試合後の記者会見で、「今の気持ちを言葉で説明するのは難しい。とにかく物凄く幸せで、誇りに思う。どうやって説明したらいいかわからないわ。人生最高の日よ」と心情を語った。

　いいときも悪いときも自分から仕掛ける姿勢を崩さなかったサバレンカは第2セットに入ると単に強打に頼らずにコースやショットを適切に選択してプレーレベルを引き上げたが、ルバキナが食い下がった最後のゲームは決して楽なものではなかった。

　記者会見で最初のマッチポイントでダブルフォールトを犯したことを指摘されたサバレンカは「あのダブルフォールトのあとは楽しくなるだろうと思ったわ」とジョークを飛ばしたあと、「もちろん少しナーバスになっていたど、私は『簡単にいく訳がないんだから、自分で取りにいくの。最後のポイントまで頑張り抜くのよ』と自分に言い聞かせていたの」と答えた。

　2021年に初めて世界ランク2位をマークして既にグランドスラム準決勝に3度進出していたサバレンカは、もっと早く優勝していてもおかしくなかった。彼女は技術的な上達に加え、自分の価値を正しく認められるようになったことが再浮上に大きな一役を買ったのだと信じている。

「人々がサインを頼みにきたりすると私はいつも奇妙だと感じ、『何で私にサインを求めるの？　私は別に何者でもない一介のプレーヤーよ。グランドスラム大会で優勝したりしていないし…』などと思っていた」とサバレンカは告白した。

「あるときに自分の気持ちが変わったの。つまり自分にもっと敬意を払うようになったということね。私がここにいるのはハードワークを積んで実際にいいプレーヤーだからなのだと理解し始めているわ」とサバレンカは説明した。

「自分が優秀な選手なのだということを理解しているだけで、コートの上で感情や多くのことに対処できる。コートで困難にぶつかるたびに、私は十分に優秀なのだと自分に思い出させていたの」

　1年ほど前に苦しい時期を過ごしていたころ、コーチのアントン・ドゥブロフ氏が辞任を申し出たが自分が引き留めていたことをサバレンカは明かした。チームに留まったドゥブロフ氏は土曜日の夜、彼女と一緒に涙を流した。

　サバレンカは表彰式のスピーチで、「私のチームはツアーでもっともクレイジーだと私は思っているの。私たちは昨年に多くのアップダウンを経験して苦しい時期もあったけど、必死でハードワークを積んだ。信じてくれてありがとう。あなたたちは私以上にこのトロフィーに値する」と自分のチームに感謝の気持ちを述べていた。