ズベレフが準決勝へ、ナダルはチチパスに勝利もグループ・ステージ敗退 [Nitto ATPファイナルズ]

 チチパスは最初の2試合に勝ってすでに準決勝進出を決めていたが、それでも3時間近くを要したその試合でナダルをぎりぎりまで追い詰めた。

 この奮闘は、フェデラーに対する準決勝でチチパスに体力的な影響を与える恐れもある。フェデラーは木曜日のグループ最終戦でジョコビッチを倒すのに1時間13分しかかけず、金曜日を休みに充てていた。

 しかし21歳のチチパスは、フェデラーより17歳若くもある。若きチチパスは、迅速に体力を回復できるということに自信を持っているという。

「大丈夫だ。現在僕の身体の感覚はいい」とチチパスは明言した。「どこにも痛みは感じないし、正直に言って活力に満ちていると感じている。こういう長く難しい試合のあとだけど、僕は明日コートに出て行って同じようなプレーができると感じているんだ。だから、明日プレーすることには何の問題もないよ」。

 水曜日の試合でナダルはメドベデフに対して第3セット1-5からマッチポイントをセーブして挽回勝ちしていたが、今回の彼のカムバックはそのときほどドラマチックではなかった。

 この日のナダルは一度もブレークポイントに直面しなかったが、第1セットのタイブレークで最後の3ポイントを落としてチチパスにリードを手渡してしまった。

 しかし彼は第2セットでブレークを果たして5-3とし、第3セットでもふたたびブレークして6-5と王手をかけると次のゲームで最初のマッチポイントをものにした。

 その試合後にナダルは年末世界ランキング1位を確保したことを讃えられ、コート上でトロフィーを受け取った。

 ジョコビッチはこの大会に優勝することでナダルを追い抜く可能性を手にしていたが、フェデラーに敗れてラウンドロビン敗退が決まった瞬間にその希望は絶たれた。

 ナダルが世界1位でシーズンを終えるのは、これが5度目となる。これはジョコビッチ、フェデラー、ジミー・コナーズ(アメリカ)とタイとなる記録だ。最多記録保持者は、6度のピート・サンプラス(アメリカ)となっている。

 33歳でこの栄誉を受けたナダルは、世界1位でシーズンを終えた最年長男子プレーヤーだ。

年末世界ランキング1位の表彰を受けたラファエル・ナダル(スペイン/右)とATPのクリス・カーモード会長(左)
LONDON, ENGLAND - NOVEMBER 15: Rafael Nadal of Spain poses with Chris Kermode, CEO and Chairman of ATP and his trophy after being announced as ATP Tour end of year world number one following his singles match against Stefanos Tsitsipas of Greece during Day Six of the Nitto ATP World Tour Finals at The O2 Arena on November 15, 2019 in London, England. (Photo by Julian Finney/Getty Images)

「正直言って、故障という意味で僕がキャリアの中で通り抜けてきた数々の困難のあと、33歳過ぎでこの手に年末ランキング1位のトロフィーを手にすることになろうとは思っていなかった」とナダルは想いを述べた。

 しかしながら彼は15年連続で出場権を獲得してきたにも関わらず、一度もATPファイナルズで優勝したことはない。彼は故障のために6度に渡って棄権を強いられており、決勝に至ったのも2度しかないのだ。彼が最後に決勝の舞台に立ったのは、2013年のことだった。

(APライター◎マティアス・カレン/構成◎テニスマガジン)

※トップ写真はアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)
LONDON, ENGLAND - NOVEMBER 15: Alexander Zverev of Germany celebrates victory after his singles match against Daniil Medvedev of Russia during Day Six of the Nitto ATP World Tour Finals at The O2 Arena on November 15, 2019 in London, England. (Photo by Justin Setterfield/Getty Images)

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