【リポビタンPresents伊達公子×YONEX PROJECT 2期生第7回キャンプ】 さらなるテニスの「進化」へ向けて

「リポビタンPresents伊達公子×YONEX PROJECT」2期生の第7回キャンプは第4回に続き再び沖縄の地で行われた(写真提供:YONEX)

元世界4位の伊達公子が、世界で戦う女子ジュニア育成のためにヨネックスと共に立ち上げた「リポビタンPresents伊達公子×YONEX PROJECT~Go for the GRAND SLAM~」の2期生第7回キャンプが、2月20日〜24日の5日間、沖縄県・豊崎海浜公園テニスコートにて開催された。

この沖縄も含め、2期生のキャンプはあと2回となり、プロジェクトの卒業を間近に控えている選手たち。3月には全国高校選抜テニス大会に出場する選手や、海外遠征に旅立つ選手もいる。

「進化」をテーマに掲げた今回のキャンプは、昨年9月に行われた第6回のテーマである「定着させる」を経て、その後ジュニアたちがどのような成長を遂げるのかが、重要な観点となった。試合に負けたときは、とかく目の前のうまくいかなかったショットに目がいきがちだが、そうではなく、自分が辿り着きたい場所がどこにあるのかを見据え、足りないもの、今やるべきことに目を向けるといったことが一番の目的だ。

また、試合をしながら成長していく過程では、目の前の結果にとらわれたときに抱く不安や恐怖心を乗り越えなければならない。緊張下の中でそのプレーができ、そして成功させることを積み重ねることで、ようやく「進化」へとつながっていく。
 

進化とは何かをまず考えることが大事だという伊達(写真提供:YONEX)

伊達は、「『進化』といっても、人それぞれの捉え方や、感じ方が違ったりする中で、テニスにおいては、プロであれ、ジュニアであれ、今の自分よりも成長したり、乗り越えていくことが必要。まずは『進化』とは何かを考え、行動に移し、実感として考えてほしいと思いました」と、今回のテーマについて話す。

毎回のキャンプと同様、オンコートでは、プロジェクトの石井弥起、近藤大生コーチと、JTA派遣の土橋登志久、坂井利彰、中山芳徳、手塚玲美、渡邉隼コーチらが、テーマに沿った内容の練習を提供し、その能力を引き出すためのコンディショニング、ストレングストレーニングを、川田真琴トレーナー(R-body project)と館崎雅治トレーナー(日本テニス協会派遣)が担当した。

川田トレーナーは「選手はテニスだけやっていれば強くなるわけではありません。土台を作るという意識がジュニアにも生まれてきたようで、身体をうまく使えるようになってきたし、修正もすぐにできるようになってきた」と集中してトレーニングを行えていることを実感したという。
 

川田氏によるコンディショニング(写真提供:YONEX)

また館崎トレーナーも彼女たちの成長を喜ぶ。

「部活では、なかなかフィジカルトレーニングにじっくり取り組む時間がないところで、今回は“走る”ということに重きを置きました。テニスは急に動いたり止まったりの繰り返し。それらのメニューを最初はうまくできなかった選手もいましたが、3日目くらいからよくなっていきました」

オンコート練習では、サービス、リターンといった1本目のショットをどうスタートさせるかといったことや、ダブルスも含め、ボレーの強化にも多くの時間を割き、ポイントをフィニッシュする方法をしっかりと学んだ。

中山コーチは「今回、①しぶとく攻撃する ②どのようにポイントをスタートさせるか ③フィニッシュする力を養う という3つの戦術に、伊達さんの感性を選手たちに落とし込んでいくことが一番の目的です。勝つというゴールに向かって最後まで進めるか。ルーティンも含め、緊張下の中で自分の能力を発揮するために、考えてプレーができるようにする内容としました」と語る。

選抜メンバーの岸本聖奈は「後ろでラリーして粘る自分から進化をしたいと思っていたので、全てのことが、自分に役立ち、充実した時間になりました」と、充実した表情を見せた。
 

岸本聖奈(写真提供:YONEX)

また今回は、昨年10月より1月まで、自分のパフォーマンスを上げるための「ルーティン」を行うことをジュニアに課した。5日間のキャンプ中、2回行われたセミナーでは、「進化」についてそれぞれが別の言葉に置き換えること、また、どのような「ルーティン」をやってきたかを、自ら発表するディスカッション形式で行った。

最年少の12歳、石井心菜は「リターンが得意ではないので、大事なところでミスをすることも多かったのですが、精度を上げつつ、プレッシャーがかかったところで攻撃しポイントを取りに行くというところは、これからの自分に必要なことだと思います」と、進化へ向けて再び意識を高くした。


石井心菜(写真提供:YONEX)
 
キャンプ終了時には伊達も「後半のマッチ練習ではみんな間違いなく進化していました。でも、今後の継続も必要です。身につけるのには時間がかかるけど、忘れるのはあっという間。これをホームコートに戻ってやってくれるとさらなる進化に繋がるはず」と、持続していくことを促した。

グランドスラムジュニアや、海外遠征で結果を残す選手もいれば、高校テニスで磨きをかける選手もいる。2期生のキャンプも4月に行われる8回目が最後となる。

「進化」した姿で再会したとき、彼女たちはどんな思いを抱くのだろうか?


 キャンプのほんのひととき、沖縄の海を満喫した(写真提供:YONEX)
 

【参加メンバー】
■石井心菜(12)
いしい・ここな 2010年3月10日生

■木河優(16)
きかわ・ゆう 2006年3月10日生

■網田永遠希(16) 
あみた・とわき 2006年5月25日生

■林妃鞠(16) 
はやし・ひまり 2006年7月13日生

■添田栞菜(16)
そえだ・かんな 2006年9月11日生

■岸本聖奈(16) 
きしもと・せいな 2006年10月6日生

■古谷ひなた(16)
ふるたに・ひなた 2006年8月8日生

 

「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」
2期生第6回キャンプ
◆2月20日〜21日
◆場所:神奈川県・荏原湘南スポーツセンター(SSC)
◆参加選手:網田永遠希(大会出場のため21日午後から参加)、石井心菜、岸本聖奈、木下晴結、添田栞菜、林妃鞠、古谷ひなた(木河優は遠征のため欠席)
◆講師:伊達公子、浅越しのぶ、石井弥起、近藤大生、川田真琴(R-body project)
◆公益財団法人日本テニス協会から植田実、土橋登志久、中山芳徳、手塚玲美、渡邉隼、館崎雅治

↓詳細はこちら↓
 伊達公子×YONEX PROJECT特設サイト

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