岐阜&愛媛のITFジュニア大会で、伊達公子が選手たちに根付かせたい「通過点」という意識

伊達公子が創設した「岐阜国際ジュニアテニストーナメント」は2年目、「リポビタン国際ジュニアin愛媛」は3年目を迎えた

2022年の締めくくりとなる、ITFジュニア大会が、11月30日より岐阜、12月7日より愛媛で開催された(日付は本戦の日程)。

これは、伊達公子が国内でITFポイントを取り、世界へ羽ばたくきっかけにしてほしいという思いのもとに創設した国際大会で、「岐阜国際ジュニアテニストーナメント2022 Supported by KIMIKO DATE × YONEX PROJECT」(以下岐阜国際ジュニア)は2年目、「リポビタン国際ジュニアin愛媛 Supported by KIMIKO DATE×YONEX PROJECT」(以下リポビタン国際ジュニア愛媛)は3年目を迎える。

岐阜国際ジュニアでは、男子シングルス優勝・木村一翔(関西高校)、準優勝・坂本日色(トップランAIOI)、女子シングルス優勝・市岡梓奈(グリーンテニスプラザ)、準優勝・小坂莉來(LYNX TA)という結果となり、リポビタン国際ジュニア愛媛は、男子シングルス優勝・前田透空(トップランAIOI )、準優勝山本夏生(トップランAIOI)、女子シングルス優勝・里菜央(トップランAIOI)、準優勝・新井愛梨(同志社国際高校)となった。
  

岐阜国際ジュニアシングルス表彰選手(男子)


岐阜国際ジュニアシングルス表彰選手(女子)


リポビタン国際ジュニア愛媛のシングルス入賞者

 男女シングルスのうち、里以外は、全員ITF初優勝となっており、フレッシュな顔ぶれとなった。また、相生学院高校と連携するトップランAIOIの選手が多く入賞しており、プロを目指すジュニア選手において、通信制の高校を選択するという考えが、一般的になりつつあるといえる。

 部活、勉強、そしてテニスの両立は、簡単なことではないが、選手個々の意識は高く、プロへの道筋、大学への道筋をイメージしながら、試合を通して成長しようとする姿が見受けられた。

また、この大会には伊達がヨネックスとともに取り組んでいる女子ジュニア育成プロジェクト「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」の選抜メンバーである、古谷ひなた(有明ジュニアテニスアカデミー)、岸本聖奈(岡山学芸館高校)、網田永遠希(野田学園)、林妃鞠(四日市商業高校/岐阜のみ)の4名が出場。日頃の成果と成長をどれだけコートで出すことができるのか、アピールする場となった。 


網田は愛媛で1回戦勝利を挙げた

昨年は故障を抱えていたため、今年の春からようやく本格的にテニスと向き合えるようになった林は、部活を通して勝つことの大切さを知り、岐阜国際ジュニアでは、ベスト4へ進出した。

林の急成長に喜ぶ伊達

「夏まではあまり調子が良くなかったのですが、だんだん上がってきて、自分のやりたいプレーができるようになってきました。試合に対する向き合い方も成長したと思っています」と、部活から多くのことを学んでいるという。

 また、同大会では、古谷と岸本がペアを組み、決勝へ進出。優勝は逃したものの、プロジェクトキャンプで熱心に取り組んでいるダブルスの戦い方を通して、結果へ繋げた。

ダブルスで決勝進出へ進出した古谷(左)と岸本(右)

部活が主体の高校へ進学した選手たちは、自ずと高校テニスが優先順位としては高くなる。ITFジュニアのポイントを取るための大会に出場できる機会は限られるが、高校で学んだ、1勝の重さが、彼女たちの成長につながっていることは明確だ。

この2大会を終え、伊達は「全体を見て、ジュニアたちがどのようにポイントを取らなければいけないのか、そして実際どうポイントを重ねていくのかといったことは、この先、世界を目指す中でやっていかなければならないこと」と、プロツアーを見据えた2大会の意義について語る。

また、「(選手たちの)意識は初回よりも高くなってきて、チャレンジしようという気持が定着している気がします」とその成果を喜んだ。


2大会を経て、選手たちの意識の向上に喜ぶ伊達

ITFジュニアツアーの最下部であるG5にカテゴライズされるこの大会は、あくまでもきっかけ作りであり、さらに大きな大会が存在し、その先にグランドスラムジュニアがある。「ここでポイントを取って出場する選手が入れ替わるのが理想的」と考える伊達に取っては、ジュニア自身が「通過点」という意識を持って参戦する形を望んでいる。


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 伊達公子×YONEX PROJECT特設サイト

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