スビトリーナがブリンコワに逆転勝利で4回戦進出も試合後に握手を交わさず [フレンチ・オープン]

写真は逆転勝利で16強入りを決めたエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月28日~6月11日/クレーコート)の女子シングルス3回戦で、元世界ランク3位のエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)がアンナ・ブリンコワ(ロシア)に2-6 6-2 7-5で逆転勝利をおさめてベスト16進出を決めた。

 お互いに気迫のこもったプレーを応酬した好試合となったが、決着がついたあとにスビトリーナとブリンコワはネット際で握手を交わさなかった。

 フランスのテレビで解説を務めていた元テニス選手のタティアナ・ゴロビン(フランス)はそれを見て、「残念なこと」と口にした。彼女はフランス国籍でプレーしていたが、元々ロシアのモスクワで生まれ育った経緯を持っている。

 2022年初頭にロシアによるウクライナ侵略が始まった直後、スビトリーナはロシア選手を大会から排除するよう要求して一時はロシア選手が出ているなら大会棄権するとまで言っていた。しかし気を取り直してプレーを続けたが、その直ぐあとにケガや妊娠などで戦線を離脱した。

 しかしプレーしていない期間にも精力的にウクライナ救済のための活動を行うなど、スビトリーナはこの政治状況への意識を強く持っている。前週のストラスブール決勝でも今日の相手であるブリンコワに勝って優勝したスビトリーナは、賞金をすべてウクライナの子供たちを援助するチャリティに寄付していた。

 テニスに関して言えば、スビトリーナは出産後数ヵ月しか経っていないにもかかわらず順調な復調ぶりを見せている。

「1試合1試合に取り組んで、それぞれの試合で全力を尽そうとしている。第1セットはここ2試合のように思い通りにはいかなかったけど、反撃して試合に戻っていく道を見つけようとしていた。そして最終的に厳しい瞬間を切り抜け、自分のリズムを取り戻すことができたわ」とスビトリーナは試合後にコメントした。

「私は自分のテニスを取り戻すために必死に取り組んでおり、勝利を積み重ねることによってゆっくりと前に進んでいる。これは自分が正しいことをしているといういい兆しだわ」

 スビトリーナは次のラウンドで、ペイトン・スターンズ(アメリカ)を6-0 6-1で破って勝ち上がった第9シードのダリア・カサキナ(ロシア)と対戦する。スビトリーナはカサキナに対して6勝0敗の戦績を誇っているが、最後の対決は2021年USオープン3回戦まで遡る。

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写真◎Getty Images

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