ナダルがワウリンカに勝利、ジョコビッチはチチパスとの準々決勝へ [ロレックス・パリ・マスターズ]
ATPツアー公式戦の「ロレックス・パリ・マスターズ」(ATP1000/フランス・パリ/10月28日~11月3日/賞金総額579万1280ユーロ/室内ハードコート)の男子シングルス3回戦で、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第16シードのスタン・ワウリンカ(スイス)を6-4 6-4で下して準々決勝に駒を進めた。これはナダルにとって、ワウリンカとの22回目の対戦で19勝目となる。
ワウリンカの強烈なバックハンドは不安定ながらときに目覚ましかったが、ナダルはほぼ常に試合をコントロール下に置いていた。
「僕のサービスは機能していた。ボレーもだ」とナダルは振り返った。「僕は数回ネットに出て、サーブ&ボレーもした」
とはいえ世界ランク2位のナダルは第1セットの第2ゲームと第8ゲームでブレークポイントを凌がなければならず、ごく短い時間だがやや苦労していた。それから第2セットで、彼は胃の問題のために医師の助けを仰いだ。
「正直言って、深刻な問題じゃない」とナダルは説明した。「試合の間、少し気分を改善するために医師に何か薬を出してもらうことは可能かと尋ねたんだよ」
ナダルは次の準々決勝で、2008年パリ・マスターズ優勝者のジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)と対戦する。ナダルは同大会での初タイトルを目指しており、優勝すればキャリア5度目の年末ランキング1位を確保することができる。
ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したツォンガはふたつのマッチポイントを凌ぎ、ヤンレナード・ストルフ(ドイツ)を2-6 6-4 7-6(6)の死闘の末に倒した。
ツォンガと対戦成績で、ナダルは9勝4敗とリードしている。ツォンガがナダルを初めて倒したのは2008年オーストラリアン・オープン準決勝でのことで、彼は最終的に決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れていた。それはツォンガがにとって、唯一のグランドスラム大会決勝となっている。
世界1位のジョコビッチは実現すれば史上最多タイ記録となる6度目の年末ナンバーワンを目指しており、決勝でナダルと対決するための道の上にいる。
パリ・マスターズで4度優勝している第1シードのジョコビッチは、カイル・エドマンド(イギリス)を7-6(7) 6-1で破って8強入りを決めた試合で、彼のベストのレベルに近づきつつあるように見えた。
第1セットを取るのに7つのセットポイントを必要としたあと、ジョコビッチは第2セットで6ゲームを連取した。彼はラブゲームでブレークを果たし、試合にとどめを刺した。最後のショットは、左コーナーへのバックハンドのウィナーだった。
勝利の瞬間、彼はすぐに自分のチームが陣取るボックス席のほうに決意に満ちた眼差しを向けた。そこでは、今年のウインブルドンの際に彼のチームに加わった元ウインブルドン・チャンピオンのゴラン・イバニセビッチ(クロアチア)が立ち上がって拍手を送っていた。
「僕のコーチが、僕のリターンはあまりよくないと言ったからなんだ。だからリターンのウィナーで試合を終えて、僕は彼のほうを見たのさ。いや、冗談だよ」とジョコビッチは試合後に話した。彼は多くの者に、テニス史上最高のリターンの名手のひとりとみなされている。
この日はサービスもよかったジョコビッチはファーストサーブからのポイントの89%を取り、一度も相手にブレークポイントを与えなかった。彼は最後のゲームで測ったようなフォアハンドと、もう1本のバックハンドのウィナーを含めた3本の小気味よいストロークエースを決めて試合を締めくくった。
「このように試合を終えることができたというのは素晴らしいことだ。第2セットは満足のいくプレーができたよ」とジョコビッチはコメントした。「もちろん今日の第2セットでやったようにプレーできればよかったけど、昨日の僕はベストのテニスをしていなかった。だからこそ僕は、試合後に陣営に向かって視線を送ったんだよ」
いまだやや声が枯れてはいたが、ジョコビッチは試合後、日に日に上達しつつあるフランス語で観客たちに言葉を贈った。2回戦でラッキールーザー(予選で敗れた後、本戦に繰り上がり出場)のコランタン・ムーテ(フランス)に対してときにやや苦労していたジョコビッチは、観客たちに気分がまだあまりすぐれないのだと告げていた。
ジョコビッチの次の相手は、第7シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)だ。チチパスはこの日、11本のサービスエースを決めてアレックス・デミノー(オーストラリア)を6-3 6-4で退けた。
チチパスはジョコビッチに対し、2勝1敗の戦績を誇っている。ふたりは10月初頭の上海マスターズ準々決勝でも対戦し、チチパスが勝っていた。
グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)は第5シードのドミニク・ティーム(オーストリア)のサービスゲームを4度ブレークし、 6-3 6-2で勝利をおさめた。ディミトロフは次の準々決勝で、ノーシードのクリスチャン・ガリン(チリ)と対戦する。ガリンは3つのマッチポイントを凌いだ末に、予選勝者のジェレミー・シャルディ(フランス)に6-7(4) 6-4 7-6(6)で競り勝った。
第6シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は30本のブレークポイントと7度のサービスブレーク(うちズベレフが5回ブレークされた)があったミスの多い試合で、デニス・シャポバロフ(カナダ)に2-6 7-5 2-6で敗れた。シャポバロフは次のラウンドで、第13シードのガエル・モンフィス(フランス)と対戦する。
USオープンで準々決勝に進出した地元フランスのモンフィスは第1セットを落として第2セットでも先にブレークされたが、そこから巻き返して世界50位のラドゥ・アルボット(モルドバ)を4-6 6-4 6-1で振りきった。
モンフィスはもし準々決勝でシャポバロフに勝てば、ロンドンで行われるシーズン末のトップ8によるエリート大会「ATPファイナルズ」の出場権を獲得することができる。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はラファエル・ナダル(スペイン)
PARIS, FRANCE - OCTOBER 31: Rafael Nadal of Spain celebrates victory after his match against Stan Wawrinka of Switzerland on day 4 of the Rolex Paris Masters, part of the ATP World Tour Masters 1000 held at the at AccorHotels Arena on October 31, 2019 in Paris, France. (Photo by Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)
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