男子トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」（ATPファイナルズ／イタリア・トリノ／11月12～19日／賞金総額1500万ドル／室内ハードコート）の大会6日目に行われたレッド・グループのラウンドロビン（総当たり戦）第3戦で、第2シードのカルロス・アルカラス（スペイン）が第3シードのダニール・メドベージェフ（ロシア）を6-4 6-4で倒して2勝目を挙げた。

　第4ゲームで直面した15-40のピンチを凌いで自分のサービスゲームをすべてキープしたアルカラスは、各セットで一度ずつブレークに成功して1時間20分で試合を締めくくった。

「僕が今日やったもっとも重要なことは、メンタル的に強くあり続けることだった」とアルカラスは試合後のオンコートインタビューで語った。

「自分のサービスゲームで少し苦しめられたゲームがいくつかあった。彼（メドベージェフ）のリターンゲームは素晴らしく、相手のサービスに大きなプレッシャーをかけてくる。だからそのような瞬間に落ち着きを保ち、精神的に強くあることが勝つチャンスを得るためのカギだった」

　イブニングセッションの試合で第7シードのアレクサンダー・ズベレフ（ドイツ）が第5シードのアンドレイ・ルブレフ（ロシア）を6-4 6-4で下して2勝目を挙げたためレッド・グループは3人が2勝1敗で並んだが、セット取得率で上回ったアルカラスが首位でメドベージェフは2位で決勝トーナメントに進出することになった。

　世界トップ4の激突となった準決勝ではアルカラスが第1シードのノバク・ジョコビッチ（セルビア）と、メドベージェフは第4シードのヤニク・シナー（イタリア）と対戦する。

「僕がこれから直面するのはもっとも難しいチャレンジのひとつだ。ノバクはNitto ATPファイナルズで6度も優勝している。ノバクはノバクだ。彼は現時点で世界最高の選手であり、今年は6試合しか負けていない。信じられないような選手だ。僕はベストを尽くし、これまでの数試合と同じく楽しもうと思う。ノバクと対戦することにワクワクしているよ」とアルカラスは次戦を見据えた。

　ふたりは過去4戦して2勝2敗と星を分け合っているが、今季はジョコビッチが2勝1敗と勝ち越している。直近の2試合は7月のウインブルドン決勝がアルカラス（1-6 7-6(6) 6-1 3-6 6-4）、8月のシンシナティ決勝ではジョコビッチ（5-7 7-6(7) 7-6(4)）が勝っている。

　ATPファイナルズはATPツアー最終戦で、今季の成績上位8名（ダブルスは8組）のみで争われる。4人ずつのグループに分かれたラウンドロビンを行い、上位2名（ダブルスは2組）ずつが決勝トーナメントに進出する形式で行われる。