数々の大ケガを乗り越えた21歳カゾーがグランドスラム大会で初のサプライズ、ハンドボールで培った身体能力でルーネを打破 [オーストラリアン・オープン]

写真はキャリア初の対トップ10勝利を挙げたアルトゥール・カゾー(フランス)(Getty Images)


 シーズン最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月14~28日/ハードコート)の男子シングルス2回戦で、ワイルドカード(主催者推薦枠)を得て参戦した21歳のアルトゥール・カゾー(フランス)が第8シードのオルガ・ルーネ(デンマーク)を7-6(4) 6-4 4-6 6-3で倒す番狂わせを演じた。

 2020年全豪ジュニアで準優勝を飾るなど将来を嘱望されながら何度も深刻なケガに見舞われキャリアを妨げられていたカゾーが、グランドスラム大会で最初のサプライズを起こした。世界ランク122位のカゾーはサービスエース18本を含む51本のウィナーを叩き込み、3時間22分でキャリア初の対トップ10勝利を決めた。

 バックハンドのパッシングショットを決めて堂々と試合を締めくくったカゾーがグランドスラム本戦でプレーするのは4度目だが、過去3大会はいずれも初戦敗退(シングルス)に終わっていた。

「クレイジーな試合だった。(叫び過ぎて)今は声が少し枯れてしまっているけど、凄い戦いだった。オルガは素晴らしい選手だ。彼のことは随分前から知っている。激しい戦いになることはわかっていたし、準備はできていた」とカゾーは試合後のオンコートインタビューで語った。

「サービスは常に僕のテニスにおいて大きな強みだった。子供の頃に7年ほどハンドボールをやっていて、それで肩が鍛えられたんだ。僕はあらゆる要素を改善するために一生懸命取り組んでいる。僕はいいサービスを持っているけど、もっと上達できると思う」

 かつて故郷のモンペリエでフランス最強の一角であるハンドボールチームでプレーしていたカゾーは11歳のときにテニスを選んだが、2016年に肘を骨折したのを皮切りに18年に足の骨折、21年から22年にかけて恥骨痛、その間にも肩や手首、大腰筋など数えきれないほどのケガを経験してきた。

 昨年の男子21歳以下のトップ8対決「Next Gen ATPファイナルズ」に補欠として参加したカゾーは、出場選手の運動能力を測定するベースキャンプにも加わった。彼はそこで最高の身体能力を示し、ハンドボールで培ったフィジカルを証明していた。

 カゾーは次のラウンドで、母国の後輩でもあるアルトゥール・フィス(フランス)を3-6 6-1 7-5 6-4で破って勝ち上がった第28シードのタロン・グリークスプア(オランダ)と対戦する。

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写真◎Getty Images

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