不屈のメドベージェフが2セットダウンから逆転勝利で2年ぶり3度目の決勝進出「運も必要だけど今日は僕の日だった」 [オーストラリアン・オープン]

写真は2セットダウンからの逆転勝利で2021年USオープン以来となる2度目のグランドスラム制覇に王手をかけたダニール・メドベージェフ(ロシア)(Getty Images)


 シーズン最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月14~28日/ハードコート)の男子シングルス準決勝で第3シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)が第6シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に5-7 3-6 7-6(4) 7-6(5) 6-3で逆転勝利をおさめ、2021年USオープン以来となる2度目のグランドスラム制覇に王手をかけた。

 ズベレフは幸先よく2セットを先取したが第3セット以降は一度もブレークのチャンスを掴めず、2つのタイブレークを制して2セットオールに追いついたメドベージェフ第5セットで相手のサービスゲームを2度破って4時間18分で勝利をもぎ取った。ふたりはこれが19回目の対決(メドベージェフの12勝7敗)だったが、グランドスラム大会での顔合わせはこれが初めてだった。

「第1セットは正直に言ってお互いにそれほどいいプレーができていなかった。第2セットでは少しましになったけど、いいプレーをした彼(ズベレフ)が2度ブレークして6-3で取った。彼のサービスゲームでチャンスがなかった」とメドベージェフは試合を振り返った。

「僕は少し途方に暮れていたけど、第3セットの途中でもし負けるにしても自分を誇らしく思えるようにしようと思ったんだ。最後まで戦いたいし、負けたら負けたで仕方ない。何とか勝つことができてとても誇りに思う」

 第4セットのタイブレーク4-4の場面でダブルフォールト犯したメドベージェフは敗戦まであと2ポイントのところまで追い込まれたが、フォアハンドのウィナーを決めたあとファーストサーブに対するリターンがドロップショットのようになって決まるラッキーもあってセットポイントを握り、サービスエースで試合を振り出しに戻すとメンタル的に優位に立った。

 第9シードのホベルト・フルカチュ(ポーランド)に対する準々決勝でも5セットの死闘を演じていたメドベージェフは、「第3セットのある瞬間にフィジカル的に疲れを感じたんだ。彼を見たらそうは感じなかった。第1セットであったような40回以上のラリーはもうできないと感じたから、もっとアグレッシブにいこうと思った」と試合後に明かした。

「それでうまくいかなかったら別の方法を探してたよ。そうしたらそれがうまく機能し始めた。僕はそれまでよりいいショットが打てるようになり、サービスもよくなった。(第4セットの)タイブレーク5-5からのリターンはちょっと幸運だった。スライスでの返球は意図的だったけど、向かい風でバックスピンがかかっていたからドロップショットのようになったんだ。ときには運も必要だけど、今日は僕の日だった」

 メドベージェフは6度目(全豪では3回目)のグランドスラム決勝で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を6-1 6-2 6-7(6) 6-3で破って勝ち上がった第4シードのヤニク・シナー(イタリア)と対戦する。ふたりは過去9戦してメドベージェフが6勝3敗でリードしているが、直近の3試合はシナーが勝っている。

「彼(シナー)はアンドレイ・ルブレフ(ロシア)に対する準々決勝のタイブレークで1-5から挽回してセットを取った。そしてこのコートで準決勝10勝0敗だったノバクを倒すなんて、大いに感銘を受けたよ。しっかり回復し、日曜日までに100%になる必要がある」とメドベージェフは次戦を見据えた。

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写真◎Getty Images

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