新旧世界ナンバーワン対決で2連覇中のシフィオンテクに惜敗の大坂が完全復活に手応え「私はハードコート派」 [フレンチ・オープン]

写真はあと一歩で金星を逃した大坂なおみ(フリー)(Getty Images)


 シーズン2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月26日~6月9日/クレーコート)の女子シングルス2回戦で、第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)が元世界ナンバーワンの大坂なおみ(フリー)に7-6(1) 1-6 7-5で競り勝ち初の早期敗退を回避した。

 産休を経て1月に復帰して世界ランク134位で今大会を迎えた大坂はこれまで苦手としていたサーフェスでアグレッシブなプレーを展開し、2連覇中の女王をぎりぎりまで追い詰めた。

 競り合いとなった第1セットをタイブレークの末に落とした大坂は第2セットに入ると主導権を握って第3セット5-2と勝利目前まで迫ったが、シフィオンテクが最後の5ゲームを連取する過程で3-5からマッチポイントを凌いで2時間57分で勝利をもぎ取った。

 前哨戦のマドリッドとローマを連続で制して今大会を迎えているシフィオンテクは、辛くも連勝を「14」に伸ばした。

「2回戦としては予想以上に緊迫した試合だった。彼女(大坂)は本当に本当に素晴らしいテニスをしていた。彼女が戻ってきてくれて本当にうれしいわ」とシフィオンテクは試合後のオンコートインタビューで語った。

 シフィオンテクは次のラウンドで、マリー・ブーズコバ(チェコ)とラッキールーザー(予選決勝で敗れたが欠場者が出たため本戦出場権を得た選手)のヤナ・ファット(クロアチア)の勝者と対戦する。この試合はブーズコバが6-2 1-0とリードしたが、雨により順延となった。

 間違いなく大坂は限りなく勝利に近づいていたが、土壇場の場面で犯してしまったいくつかのアンフォーストエラーが明暗を分けた。実際に合計の獲得ポイントは114対109で大坂が上回っており、ブレークした回数も大坂のほうが多かった。

 全体的に劣勢だったのは明らかにシフィオンテクのほうだったが、重要な瞬間にポイントを取って金星を与えなかったのは大坂が長く戦線を離れていたことの代償と言えるかもしれない。

 コートを離れたあとに泣いたと告白した大坂は30分後には前向きな姿勢で記者会見に臨み、「恐らくカムバック後にプレーした中でもっとも楽しい試合だった。本当に信じられないような雰囲気だった。観客の皆さんも凄く楽しんでくれたと思う。間違いなく私にとって忘れられない試合になったわ」と話した。

「昨年の大会でイガが優勝するのを観ていたとき、私は妊娠中だった。彼女と対戦するのが夢だった。そう考えると私はかなりよくやったと思う」

 結果的に2回戦敗退に終わったものの完全復活を印象付けた大坂は先を見据え、「私はとにかく自分に厳しくなり過ぎないように気を付けているの。私は彼女の得意とするサーフェスで彼女と戦った。私はハードコート派だから、自分の(得意な)サーフェスで彼女とプレーしたらどうなるか楽しみだわ」と期待を膨らませた。

「オーストラリアでも言ったけど、私は(USオープンが開催される)9月に照準を合わせて準備をしているの」

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写真◎Getty Images

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