マッチポイントを凌いで大坂に辛勝のシフィオンテクがラリー中に叫ばないよう観客に懇願「こんなことは言いたくないんだけど…」 [フレンチ・オープン]

写真はマッチポイントを凌いだ末に2回戦を突破したイガ・シフィオンテク(ポーランド)(Getty Images)


 シーズン2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月26日~6月9日/クレーコート)の女子シングルス2回戦で、第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)が元世界ナンバーワンの大坂なおみ(フリー)に7-6(1) 1-6 7-5で競り勝ち初の早期敗退を回避した。

 競り合いとなった第1セットをタイブレークの末に落とした大坂は第2セットに入ると主導権を握って第3セット5-2と勝利目前まで迫ったが、シフィオンテクが最後の5ゲームを連取する過程で3-5からマッチポイントを凌いで2時間57分で勝利をもぎ取った。

 前哨戦のマドリッドとローマを連続で制して今大会を迎えているシフィオンテクは、辛くも連勝を「14」に伸ばした。

「2回戦としては予想以上に緊迫した試合だった。彼女(大坂)は本当に本当に素晴らしいテニスをしていた。彼女が戻ってきてくれて本当にうれしいわ」とシフィオンテクは試合後のオンコートインタビューで語った。

 2回戦で実現した新旧世界ナンバーワン対決が期待以上の熱戦になったこともあってスタンドも大いに盛り上がったが、シフィオンテクがオンコートインタビューで「ラリー中に声を上げるのは止めて欲しい」と観客たちにリクエストしたことが話題を呼んだ。

「こんな話を持ち出して申し訳ない。私はファンの皆さんに大きな敬意を抱いているし、試合はエンターテインメントだから基本的に私たちは皆さんのためにプレーしている。皆さんのおかげで稼いでいる訳だから」

「でも大きなプレッシャーがかかっている場面でラリーの最中やリターンの直前に叫ばれると集中するのが本当に難しくなってしまう。私はゾーンに入って集中できる選手になりたいから本来ならこんなことは言いたくないんだけど、これは人生をかけてよりよくなるために戦っている私たちにとって深刻な問題なの」

「どうかお願い。ラリーの合間に応援してラリー中にはしないでもらえると本当に素晴らしいと思う。私のことを嫌いにならないで欲しい。私は皆さんを愛しています」

 シフィオンテクは次のラウンドで、マリー・ブーズコバ(チェコ)とラッキールーザー(予選決勝で敗れたが欠場者が出たため本戦出場権を得た選手)のヤナ・ファット(クロアチア)の勝者と対戦する。この試合はブーズコバが6-2 1-0とリードしたが、雨により順延となった。

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写真◎Getty Images

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