アルカラスがナダルのあとを引き継ぎフレンチ・オープン初優勝「スペイン人選手にとってロラン・ギャロスは特別な大会」

写真はグランドスラム決勝3戦全勝で大会初優勝を飾ったカルロス・アルカラス(スペイン/前列右から2人目)(Getty Images)


 シーズン2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月26日~6月9日/クレーコート)の男子シングルス決勝で、第3シードのカルロス・アルカラス(スペイン)が第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を6-3 2-6 5-7 6-1 6-2で倒して大会初優勝を飾った。

 2-5から5ゲーム連取で第3セットを奪取したズベレフはセットカウント2-1と悲願にあと1セットまで迫ったが、最後の2セットで3ゲームしか取ることができず4時間19分でアルカラスが勝利をもぎ取った。

 3月にインディアンウェルズで今季初タイトルを獲得したアルカラスはヨーロッパのクレーコートシーズンに入ると右腕のケガに悩まされ、前哨戦はマドリッドにしか出場せず3勝1敗の戦績で今大会を迎えていた。

 既に2022年USオープンと昨年のウインブルドンで栄冠に輝いている21歳のアルカラスは、3つの異なるサーフェスでグランドスラム大会を制した最年少の男子プレーヤーとなった。同大会の準決勝と決勝で5セットを戦った末にチャンピオンとなったのは、1962年のロッド・レーバー(オーストラリア)以来となる。

「素晴らしい仕事をしてくれた。先月はケガでかなり苦労した。マドリッドを振り返ると、気分はよくなかった。次の週にもたくさんの不安があり、ここでもあまり練習ができなかった。自分のチームと僕の周りにいてくれる人たちに心から感謝している」とアルカラスは表彰式のスピーチで語った。

 ロラン・ギャロスで長きに渡って覇権を握っていた『キング・オブ・クレー(クレーコートの王者)』のラファエル・ナダル(スペイン)が引退する可能性が高いと言われている中、スペインは後継者の誕生を長く待つ必要はなかった。同種目で同国選手が勝ったのはアルカラスで7人目となるが、彼のコーチであるフアン カルロス・フェレロ(スペイン)もまた2003年にここで優勝杯を掲げている。

「これは夢の実現だ。子供の頃にラファがこの大会で優勝するのを観て、いつか僕もと夢見たものだった。すべてのスペイン人選手にとって、ロラン・ギャロスは特別な大会なんだ。このタイトルを獲れるなんて本当に夢のようだ」とアルカラスは試合後にコメントした。

 前哨戦のローマで2年前の同大会で負った大ケガから復帰後初めてATPマスターズ1000大会のタイトルを獲得してパリに乗り込んできたズベレフは、マッチ12連勝でキャリア2度目のグランドスラム決勝の舞台に辿り着いていた。前回の2020年USオープンではズベレフが2セットを連取して勝利目前まで迫ったが、ドミニク・ティーム(オーストリア)に6-2 6-4 4-6 3-6 6-7(6)で逆転負けを喫していた。

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写真◎Getty Images

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