ジェン・チンウェンがオリンピックの舞台で世界1位シフィオンテクから初勝利でメダル獲得が確定「ここで止まりたくない」 [2024パリ五輪テニス競技]

写真は初の世界ナンバーワン撃破で決勝進出を決めたジェン・チンウェン(中国)(Getty Images)


 世界的なスポーツの祭典「2024パリ五輪テニス競技」(フランス・パリ/7月27日~8月4日/クレーコート)の女子シングルス準決勝で、第6シードのジェン・チンウェン(中国)が第1シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)を6-2 7-5で倒してメダル獲得を確定させた。

 2-2から4ゲームを連取して第1セットを先取したジェンは第2セット0-4から4-4に追いつき、5-5から相手のサービスゲームを破ると続くサービング・フォー・ザ・マッチでブレークポイントをひとつ凌いだあとに迎えた最初のマッチポイントをものにして1時間51分で過去6戦全敗だったシフィオンテクからの初勝利を挙げた。

 最初の2試合をストレートで勝ち上がったジェンは第11シードのエマ・ナバーロ(アメリカ)に対する3回戦でマッチポイントに直面し、今大会を最後に引退すると発表していた元世界ランク1位のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)との準々決勝では第3セット1-4から巻き返した末にタイブレークを制し、2試合連続で3時間以上のバトルを戦い抜いていた。

「ただ単に幸せというだけじゃない。幸せという言葉ではこの気持ちは言い表せない」とジェンは試合後にコメントした。

「母国のためにあと3時間プレーしろと言われたら、私はやるわ。素晴らしい試合だった。イガを倒すのは簡単じゃない」

 中国人選手がオリンピックのシングルスで決勝に進出したのは男女を通してジェンが初めてで、リー・ナ(中国)が2008年北京大会で準決勝に進出したのがこれまでの最高成績だった。北京でのリー・ナは3位決定戦でベラ・ズボナレワ(ロシア)に0-6 5-7で敗れ、メダルを獲得することはできなかった。

「中国テニスの歴史に名を残すことができてうれしい。私は中国のためにメダルを獲得した選手のひとりになりたいとずっと思っていたし、今やそうなった」とジェンは語った。

「でも戦いはまだ終わっていない。大会はとても長い。だから本当に幸せだけど、同時にもっと多くを求めている。もちろん私は既に歴史を作ったけど、ここで止まりたくはないわ」

 6月のフレンチ・オープンで3年連続4度目の優勝を飾ってロラン・ギャロスで25連勝中だったシフィオンテクは金メダル候補の大本命だったが、36本のアンフォーストエラーを犯して敗北を喫したあと泣き崩れた。

「バックハンドに穴があった。普段はもっとも安定したストロークだからこんなことは滅多にないのに…」とシフィオンテクは悔しさを滲ませた。

「ストレスと毎日試合をしていたせいで技術的にいい状態ではなかった。それを調整する時間が取れなかった。それが言い訳にならないことはわかっている。試合中に修正しようとしたけど、今日はまったくうまくいかなかった。だから彼女がそこに付け込んで試合に勝ったのよ」

 ジェンは金メダルをかけた決勝で、アンナ カロリーナ・シュミドローバ(スロバキア)を6-4 6-0で破って勝ち上がった第13シードのドナ・ベキッチ(クロアチア)と対戦する。

 中国勢ではワン・シンユー/ジャン・ジジェン(中国)がミックスダブルス準決勝でデミ・シヒュース/ヴェスレイ・クールホフ(オランダ)に2-6 6-4 [10-4]で逆転勝利をおさめ、銀メダル以上を確保した。

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写真◎Getty Images

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