ジョコビッチは5セットで辛勝、ナダルとの頂上決戦が実現 [フレンチ・オープン]

今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)の男子シングルス準決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)はまたもの退屈な勝利、またものフレンチ・オープン決勝、ライバルであるラファエル・ナダル(スペイン)とのまたもの対決に向けて順調に突き進んでいるように見えていた。ところがそれから突然、軽快なギャロップだったものが長く辛いレ―スになったのだ。

 金曜日の夜、第5シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)に対する準決勝を2時間強戦った時点で第1シードのジョコビッチは早くもサービング・フォー・ザ・マッチを迎え、ストレート勝ちまであと1ポイントと迫っていた。あとたったの1ポイントだったのだ。

 ところがダウン・ザ・ラインのバックハンドが僅かにサイドラインを割り、ジョコビッチは目をぐるりと回した。そして最終的に彼は深刻な状況に立たされ、どうした訳か5セットにまで追い込まれたのだった。

 しかしながら通常そうであるように、彼はもっとも重要なときに自分の力を発揮した。彼は戦いの最後にはギアを入れ直し、自分よりずっと若くて経験もタイトルも乏しいチチパスを6-3 6-2 5-7 4-6 6-1で振りきってロラン・ギャロスでは5度目となる決勝に進出したのである。

「僕は表面的には落ち着きを保っていた。しかし心の奥底ではまったく違っていたよ」とジョコビッチは打ち明けた。

フレンチ・オープン2020|トーナメント表

 大会最終日のフィリップ・シャトリエ・コートで4年ぶり2度目の優勝と18回目のグランドスラム制覇を目指す世界ランク1位のジョコビッチの前に立ちはだかるのは、これまで頻繁にそうだったように世界2位のナダルだ。

 それは彼らにとって56回目の対戦でプロ化以降の時代では最多となり、グランドスラム大会は16回目でフレンチ・オープンでは8度目となる。全体の対戦成績ではジョコビッチが29勝26敗でリードしているものの、グランドスラム大会では9勝6敗、フレンチ・オープンでも6勝1敗とナダルが優位に立っている。

「ここは彼の家だよ」とジョコビッチはコメントした。

 先に行われた準決勝で、第2シードのナダルは第12シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を6-3 6-3 7-6(0)で破っていた。今回の彼は13回目の優勝に加え、グランドスラムで20勝目となるタイトルを獲ってロジャー・フェデラー(スイス)と並ぶチャンスを手にしている。

 ナダルは第3セットの終盤にちょっとした緊張感に対処しなければならなかったが、2度目のグランドスラム準決勝に臨んだ22歳のチチパスと相対したジョコビッチにとっても同様の時点で状況は面白くなり始めた。

 第3セット5-4から自分のサービスゲームを迎えたジョコビッチは、40-30とマッチポイントを手にした。ところが彼は、そこから仕事を完了するためにさらに1時間45分を必要としたのである。

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