シフィオンテクのドーピング問題に決着、世界アンチドーピング機構がCASに控訴しないと正式発表

写真はオーストラリアン・オープン4回戦勝利後にファンのサインに応じるイガ・シフィオンテク(ポーランド)(Getty Images)


 世界アンチドーピング機構(WADA)が月曜日に公式サイトを更新し、ドーピング違反で昨年に1ヵ月の出場停止処分を受けたイガ・シフィオンテク(ポーランド)の件でスポーツ仲裁裁判所(CAS)に控訴しないと正式に発表した。

 女子テニス世界ランク2位のシフィオンテクは昨年8月に行われた薬物検査でトリメタジジン(血管を拡張して心臓の機能を穏やかにする作用がある薬)が検出されたが、規定に基づき9月22日に不服申し立ての権利を行使し、調査したところシフィオンテクが時差ぼけ解消を目的として服用していた薬にトリメタジジンが混入したことが原因であったと判明した。

 テニスの不正を調査する団体であるインターナショナル・テニス・インテグリティ・エージェンシー(以下ITIA)はこの結果を受けて選手の過失について「重大な過失または怠慢なし」の範囲で最低レベルであると判断し、出場停止処分を1ヵ月に留めた。

 一連の流れの中でシフィオンテクには9月12日から10月4日まで暫定的な出場停止処分が科されており、その期間の3大会(ソウル、北京、武漢)に出場することができなかった。ITIAによると暫定の期間も処分に加算されるため、同選手の処分は12月4日で終了していた。

 現在開催中のオーストラリアン・オープン(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月12~26日/ハードコート)に第2シードで出場しているシフィオンテクは同日に行われた女子シングルス4回戦でラッキールーザー(欠場者が出たため本戦出場権を得た予選敗退選手)のエバ・リス(ドイツ)を6-0 6-1で破り、次戦で第8シードのエマ・ナバーロ(アメリカ)と対戦する予定になっている。

 一方で同じく昨年に受けた検査で禁止薬物のステロイドであるクロステボルが検出された男子テニス世界1位のヤニク・シナー(イタリア)はITIAの調査で不正行為はなかったと判断されたが、WADAの控訴によりCASによる非公開の審理が4月16日と17日にスイス・ヴォー州ローザンヌのCAS本部で開催される予定になっている。

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写真◎Getty Images

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