Sansanがピックルボール選手2名とスポンサー契約を締結、振興スポーツの新しい価値を見出す

左から畠山成冴選手、SanSan株式会社代表取締役/CEOの寺田親弘氏、佐脇京選手(写真◎BBM)


 働き方を変えるDXサービスを提供するSansan株式会社は、7月25日、東京・渋谷にある本社ビルにて、ピックルボール選手2名とスポンサー契約締結を発表した。契約を結んだのは畠山成冴(はたけやま・なさ)と佐脇京(さわき・けい)。今後、Sansanは両選手の活動を全面的にサポートしていくとともに、すでにスタートしているピックルボール体験会、大会主催、企業コラボレーションなどの施策を継続して実施し、日本でのピックルボールの普及促進、市場拡大、プレー環境づくり、競技レベル向上に貢献していく。

Sansan会社概要

設立:2007年6月11日
所在地:東京都渋谷区桜丘町1-1 渋谷サクラステージ28F
資本金:72億3百万円(2025年5月31日時点)
URL:https://jp.corp-sansan.com/

「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションとして掲げ、働き方を変えるDXサービスを提供している。主なサービスとして営業DXサービス「Sansan」、名刺アプリ「Eight」、経理DXサービス「Bill One」、AI契約データベース「Contact One」があり、国内外で提供している。

28歳 畠山はテニスの全国大会で4度の優勝経験、
14歳 佐脇は全国小学生大会準優勝者


 両選手は、今年3月、元ピックルボール世界チャンピオンのダニエル・ムーア氏をはじめとする有志メンバー(※)によって設立された、ピックルボールのグローバルトッププロ育成プロジェクト〈Pickleball X(PX)〉の選考会に参加。第1期メンバーとして選ばれた(基本情報:Pickleball One「Pickleball X」 )。

(※)有志メンバーにはテニスの元日本代表で、WTAツアーで活躍したテニスの藤原里華も含まれ、コーチを務めている。

 選考会には全国から128名の応募があり、顔ぶれはピックルボール経験者にとどまらず、テニス、バドミントンなどのラケットスポーツで実績を持つアスリートが参加。年代は最年少12歳から最年長69歳までと、多様なバックグラウンドと年齢層の選手たちが集まり、その中から男女各6名(※)が選出され、畠山と佐脇はここに含まれる。佐脇は最年少者だった。PXメンバーは現在、世界レベルのトレーニングを受けてトッププロを目指しており、Sansanはこのプロジェクトのパートナー企業として全面協賛を開始している。

(※) 選考された男子6名の中には、テニスの元デビスカップ選手で、全日本選手権ダブルスで優勝5回の実績を持つ佐藤哲哉(55歳)も含まれている。12名のメンバーの中で最年長者。

畠山成冴(はたけやま・なさ)紹介


北海道札幌市出身、28歳。湘南工科大学附属高校、慶應義塾大学卒。幼少期からテニスに取り組み、ジュニアで全国優勝を2度、インターハイ・ダブルス準優勝、インカレとインカレ室内のダブルスで優勝。大学卒業後はテニスから退き、一般企業に就職したが、社会人1年目で始めたパデルで日本代表に選出され、2021、2023年に全国優勝、さらに2023年は年間無敗を達成した。2024年秋にピックルボールと出会い、初出場の試合で日本人最高成績タイの結果を残した。テニスで培った技術と適応力、多彩な戦術と駆け引きを強みに、日本初の強化プロジェクト〈Pickleball X〉の第1期メンバーに選ばれ、競技に本格参入。6年3ヵ月勤務した広告代理店を退社し、現在はパデルとピックルボールの二刀流を掲げ、国内外での活躍を目指している。

記者会見挨拶(一部抜粋、要約)

「世界で急成長を遂げているスポーツに大きな可能性と、私自身の夢を思い描いています。ピックルボールは競技スポーツとして素晴らしい特性を持ち合わせつつ、ソーシャルスポーツとして年齢、経験を問わず楽しめるスポーツという2つの側面があるのが強みです。アスリートとしての活動はもちろん、普及活動にも力を入れていきたいと考えています」

「目標は3つあります。まず日本をリードする選手であり続けることと、常に普及の面でも日本をリードする存在であること。中長期の目標としてはピックルボールの本場アメリカのPPA(プロ・ピックルボールツアー/2024年の賞金総額は約45億円)の大会に出場してトップに食い込むこと。そして(将来)、オリンピック出場を目指して活動していきたいと考えています」

「Sansanのミッションである〈出会いからイノベーションを生み出す〉ということと、ソーシャルスポーツという側面で、まさに私自身が今、この場のように、新しい出会いを経験し、素晴らしいコミュニティが創り出せているように感じています。アスリートとして世界で活躍することはもちろん当たり前のことですが、それだけでなく、スポーツを通じた新しい価値の創出、そして国内で話題となっているウェルビーイングを、ピックルボールを通じて私自身が創り出せるような存在になりたいと思います」

佐脇京(さわき・けい)紹介


東京都出身、14歳(松濤中学校3年生)。5歳のとき自分の意志でテニスを始め、全国小学生大会で準優勝などの実績を残す。中学生になるとプロが参加する大会にも出場するようになり、現在もテニスに打ち込んでいるが、昨年、テニスの国内国際大会の会場で行われていたイベントの中でピックルボールと出会った。畠山と同じく〈Pickleball X〉のメンバーとなり、本格的に競技を開始すると、オーストラリアのプロツアーで上位進出。2025年7月のアジアピックルボールジュニアオープンでは日本代表として16歳以下の部で単複優勝、18歳以下でも単複準優勝の結果を残した。現在はテニスとピックルボールの両競技に取り組む「二刀流アスリート」として、相乗効果を活かしながら世界の舞台を目指す。観客を魅了するプレーヤーを志し、将来は「自分のアカデミーを創り、スポーツで世界を幸せにする」という夢に向かって歩んでいる。

記者会見挨拶(一部抜粋、要約)

「初めてピックルボールに触れたとき、コンパクトなコートで考え方が反映されやすく、戦略性を必要とするルール、テンポ感、リズム感がある展開など、すべてに魅了されました。〈Pickleball X〉のメンバーやコーチとの出会いによって、今年の春から国内外問わず積極的にピックルボールの大会に挑戦しています。先週はジュニアアジア大会の日本代表としてベトナムに行きました。ベトナムでは日本人からの温かい声援だけでなく、ほかの国々のチームからも熱い応援やサポートをいただき、年齢、性別、国を超えて素直にお互いのよさを認め合い、高め合おうとする、非常に開かれたスポーツであるとあらためて体感でき、とても感激しました」

「私は、人々が正しくスポーツにつながることは国際平和につながると考えており、貢献したいという願いを持っています。将来的には自分のアカデミーを創りたいと思っています。そのためにも、まずは世界一魅力的なプレーヤーを目指します。今年度は香港、ベトナム、マレーシア、インド、アメリカの大会へ挑戦予定です」

「大会では、ピックルボール先進国から多くを学びつつ、武道のような精神的成長、お互いの人間性を高め合うこと、人との出会いや礼儀作法を重んずる日本独特の価値観を、〈ピックルボール道〉として世界に発信していきたいと思います」

「競技者としての目標は、22歳になる、2032年のオリンピックでピックルボールが公式種目に選定されることを期待して、そこで金メダルを獲ることが一つの目標です」

「ピックルボールは出会いを生み、出会いの力で国際平和にも貢献できる、本当に素晴らしいスポーツです。出会いからイノベーションを生み出すことをミッションに掲げられているSansan株式会社様との契約で、私自身も自分のスポーツを通して世界平和に貢献するという願いの実現に近づけたような気がして、たいへんうれしく、心強く感じています」

Q テニスとピックルボールの二刀流について

A「私は今、テニスとピックルボールを両立してどちらの大会にも出場しています。大前提として、テニスとピックルボールは似たようで意外と違う要素もあると思います。スポーツには心技体(しん・ぎ・たい)という言葉がありますが、頭脳の部分、頭があると考えていて、例えばテニスの大会で優勝するためには、体(たい)や心(しん)が特に重要だと思うのに対して、ピックルボールでは脳(のう)や技(ぎ)の要素が大きいと感じます。そういった面でも、それぞれによさがあって、違うことを学べるということで両方楽しんでやっています」

Q 同時にプレーすることによる打球感への影響はありますか

A「私の場合はそんなにありません。基本のマインドや戦い方はいっしょなので。ただ少し手の感覚がずれるということはありますが、試合の戦い方がずれるということはないです。両方やっていても大丈夫です」

ピックルボールとは

 ピックルボールはアメリカ発祥のラケットスポーツで、世界中で競技人口を急増させている注目のスポーツ。

 簡単に競技を説明すると、コートはバドミントンのダブルスコートサイズで、板状のパドルラケットと複数の穴が空いたプラスチック製ボールを用い、ワンバウンドかノーバウンドで返球、ネットを挟んでエリア内にボールを収める。ネット際に使用できないエリアがある。ラケットスポーツのテニス、ソフトテニス、バドミントン、卓球経験者は馴染みやすく、小さいテニス、大きい卓球というイメージ。シングルスとダブルスがある。1ゲームは11点先取で3ゲームマッチ。サービスはアンダーサービスで始まる。

 穴が空いたボールの特性からスピードが抑えられ、簡単にラリーができるので、老若男女が始めやすいスポーツだ。

 テニスコート1面に3、4面設置することができ、現在はテニスコートや体育館など既存競技コートを共用してピックルボールコートを設置している。今後、日本で競技が発展するためには専用コートをはじめとするコートの増設など、プレーしやすい環境を整える必要がある。

 前述したようにラケットスポーツ経験者は取り組みやすい。元ソフトテニス日本代表の船水雄太は、渡米し、日本人初のプロ選手として「メジャーリーグ・ピックルボール(MLP)」に参戦している。他競技を活かしての転身、競技人生の延長という点でも注目に値する。

 一方でラケットスポーツ経験者でなくても、「すぐにできます。30分あればゲームができるようになります」(佐脇)というように、誰もが始めやすいことから、新たなスポーツへの挑戦、短時間での運動効果の期待、対人スポーツならではのコミュニティの創造においても、今後急速に広がる可能性を秘めている。テニスへの導入として、あるいはテニスとの二刀流など、目が離せない。

ピックルボールを理解、大会情報、イベント情報など 一般社団法人日本ピックルボール協会

競技の基本、ニュース、大会情報など Pickleball One(ピックルボールワン)

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