ベンチッチが初のベスト4----大舞台へ「チャレンジが好き」 [USオープン]

アメリカ・ニューヨークで開催されている「USオープン」(8月26日~9月8日/ハードコート)の女子シングルス準々決勝で、第13シードのベリンダ・ベンチッチ(スイス)が第23シードのドナ・ベキッチ(クロアチア)を 7-6(5) 6-3で倒し、グランドスラム大会では自己初となる準決勝進出を決めた。

 4回戦で世界ランク1位の大坂なおみ(日清食品)に対して番狂わせを演じていたベンチッチは強烈なストロークを維持し、第2セット半ばに8ポイントを連続で取ることで非常に競っていたこの試合の突破口を開いた。

 2-3とリードされていたベンチッチはそのポイント連取でリードを奪い返し、彼女が最後の4ゲームを取る中でベキッチはもはや盛り返すことができなかった。これで彼女はグランドスラム大会での自己最高のパフォーマンスだった、2014年USオープン準々決勝への進撃を超えることになったのだ。

「私は本当にチャレンジが好きなの」とベンチッチはビッグマッチでのプレーについて語った。

「ある選手たちは大舞台をちょっぴり怖がるようだけど、私にとってそれはよりモティベーションを掻き立てられる場なのよ」

 対するベキッチは「今日の彼女は全体的によりよいテニスをしていたと思う」と振り返った。

「私は自分がよいポイントを3連続で取ることができないと感じていた。1ポイントはいいけれど、それからまずいポイントになるといった具合に不安定だった」

 第1セット4-4からの自らのサービスゲームのゲームポイントで簡単な決め球をミスし、最初に切れたのはベンチッチのほうだった。

 ベキッチが続く3ポイントを取ってブレークを果たして5-4とリードしたとき、少しの間、ベンチッチは集中力を失ったように見えていたのだ。しかしベンチッチはすぐにブレークバックして5-5と追いつき、最終的に今季得意としてきたタイブレークにもつれ込む。1-2からベンチッチは続く6ポイントを取り、今季のタイブレークでの戦績を10勝2敗とした。

 第2セットで一時立ち直って3-2とリードしたベキッチは、10ポイントを要した前述の第5ゲームでエネルギーを消耗したように見え、一方のベンチッチは続く8ポイントを連取すると、たちまちリードを奪い返した。

 5年前に経験した唯一の準々決勝以来ずっと故障に対処してきたベンチッチは、かつて同国の先輩であるマルチナ・ヒンギス(スイス)を助言者とし、指導を受けていたことがある。今は父イバンをコーチとしているベンチッチは試合後、「父は今日、(やきもきするあまり)心臓発作でほとんど死にかけたと思うわ」と話した。

 ベンチッチは準決勝で、第15シードのビアンカ・アンドレスク(カナダ)と対戦する。アンドレスクは第25シードのエリース・メルテンス(ベルギー)を3-6 6-2 6-3で破り、彼女もまたグランドスラム大会で初のベスト4入りを果たした。ベンチッチ22歳、アンドレスクは19歳だ。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はベリンダ・ベンチッチ(スイス)
撮影◎毛受亮介 / RYOSUKE MENJU

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