「多面的支援を力に 」-----ノアインドアステージ所属の市川泰誠選手が 全日本選手権で準優勝

10月5日から12日まで開催された全日本選手権で、ノアインドアステージ所属の市川泰誠選手が全日本選手権で準優勝を果たした。同大会で市川選手は2023年にダブルスでタイトルを手にしたものの、シングルスは過去ベスト8が最高。硬軟織り交ぜたプレーで接戦を何度もくぐり抜け、田口涼太郎選手との決勝では敗れたものの、実りある一週間を送った。その5日後、地元大阪に戻った市川選手に練習拠点のテニス&バドミントンスクール・ノア大阪阿波座校で好調の背景などを聞いた。
全日本で感じた成長と課題
------まずは、全日本選手権の準優勝おめでとうございます。準優勝では「おめでとう」と言うべきではないですか?
「いえ、『おめでとう』だと思います(笑)。もちろん決勝も勝ちたかったですけど、これまでベスト8が最高で、今回は自分でも成長を感じられるところがあったので」
------具体的にはどういったところですか?
「これまでは競り負けることが多くて、勝ったとしてもそのあとが続かないという感じでした。今回のように連続して接戦に勝てたということは最近なかったと思います。全日本に入る一週間くらい前から練習でいい感覚はあって、それが会場に入ってからもずっと続いていました。あと、前よりも攻めるテニスができるようになってきているので、スコアは競っていても体力の消耗は抑えられているような気がします。意外と体力的にはまだ余裕がある感じで決勝まで戦い切れました」
------白石光選手との2回戦、山﨑純平選手との準決勝は、タイブレーク絡みのフルセットの試合でしたね。田口選手との決勝戦も第2セットは5-2とリードしていました
「5-2といってもワンブレークだったので緊張感はあって、向こうが巻き返してくる勢いのほうがまさっていたのかなと思います。結局5ゲーム連続で取られてしまって、その流れを止められなかったのは悔しいところです」
------今年はダブルスでのチャレンジャー初優勝(カザフスタン・アスタナ)もありましたが、調子の良さは何か理由が思い当たりますか?
「理由はよくわからないですけど、ネットプレーにつなげていくプレーが好きで、前からダブルスのほうが結果は出ていました。今年はフューチャーズの優勝の数も今までで一番多いので、ダブルスはけっこう誰と組んでも合わせていけるタイプなんだと思います」
------一方でシングルスは現在ATPランキングが700位台ですが、プロになってからの手応えや難しさなど、どのように感じていますか?
「今シーズン最初のニューカレドニアでベスト8に入って、そのあとキャリアハイもマークしたんですけど、それを継続できるかというところでまだ課題があると思います。そういう意味でも今回の全日本ではいいプレーが継続できたので、自信につなげてシングルスのランキングも上げていきたいです」

かつてのホームコートでもあるブルボンビーンズドームで開催された2023年の『SBCドリームテニスツアー』では、ファイナルラウンドに進出した
ノアのサポートへの思い
------ノアのサポートはどのような助けになっていますか?
「資金面が一番ですけど、練習環境も恵まれています。インドアのハードコートなので天候にかかわらず練習できますし、確実に練習相手がいるというのも大きいです。国内だけでじゃなくて海外の試合にも、吉備(雄也)コーチとトレーナーさんが同行してくれるのもありがたいです。あとは、スクール内のイベントでお客さんとヒッティングをしたり、プロ同士やコーチ陣とのエキシビションマッチをしたりするんですけど、これも自分をアピールできるいい機会になります。イベントは日本リーグに向けて行うことが多くて、お客さんとの一体感やチームワークを高めていく感じです」
------日本リーグでは今年初めて決勝に進出しました。12月からまた次のファーストステージが始まりますね
「今年僕はダブルスだけだったので、次はシングルスでも出たいですね。団体戦は楽しいですし、日頃サポートしてくださっているスポンサーのためにもがんばりたいという気持ちも大きいです」
------シーズンも残り少ないですが、今後の目標を聞かせてください
「チャレンジャーをメインにまわれるところまでランキングを上げていきたいです。海外の大会もアジアだけでなく欧米も増やしていろいろなタイプの選手と試合をする必要もあると思います。ノアチャレンジャーでは、プロ1年目の2019年にベスト8までいったんですけど、そこからコロナで2年開催されなくて、2022年に再開してからはまだ本戦で勝てていません。普段メインに戦っているフューチャーズよりも当然相手の圧も高いので、勝ち進むのは簡単ではないですけど、チャレンジャーの中でも特に結果を出したい大会です」
市川泰誠(いちかわ・たいせい)

昨年末からこだわり始めたマニキュアは、「ファッションでもあり補強でもある」とのことで、去年の年末くらいから始め、毎回サロンで手入れをしてもらうとか
Profile◎2000年12月21日生まれ(24歳)。2019年西宮甲英高校卒業後にプロ転向。ノアインドアステージ所属選手として国内外のトーナメントに参戦し、プロ初年度から日本リーグでも活躍。180cm。左利き。JTAランキング34位(2025年10月14日付)。2025年全日本選手権シングルス準優勝、2023年全日本選手権ダブルス優勝
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