「頑張れイタリア!」イタリア国際でティーンに脚光
ATPツアー公式戦の「BNLイタリア国際」(ATP1000/イタリア・ローマ/9月14~21日/賞金総額385万4000ユーロ/クレーコート)で観戦を許されていないファンたちは、今年のフォロ・イタリコでかなり素晴らしいショーを見逃している。10代のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)とヤニク・シンネル(イタリア)に率いられ、4人のイタリア人プレーヤーが男子シングルス3回戦に進出した。このような事態が起きたのは、約40年ぶりのこととなる。
金曜日には昨年のUSオープンでベスト4に進出した第4シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)がワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したステファノ・トラバリア(イタリア)との同胞対決を7-6(5) 7-6(1)で制し、準々決勝に一番乗りを決めた。
「僕たちは多くの若い選手を擁している。イタリアテニス界にとっていいことだ」と19歳のシンネルは第3シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)に対して番狂わせを演じたあとに語った。
「皆が各々の道を進んでいる。僕らの何人かは他の者より早く頭角を現し、別の者は少し遅れて台頭してきた」
昨年のNext Gen ATPファイナルズを制したシンネルは、すでに世界有数のトップ若手プレーヤーのひとりとしての名声を確立させていた。しかし18歳のムゼッティは今大会でグランドスラム優勝経験者で第10シードのスタン・ワウリンカ(スイス)と元USオープン準優勝者の錦織圭(日清食品)をいずれもにストレートセットで倒し、一躍ひのき舞台に躍り出た。
「自分をすごく誇りに思うよ」とムゼッティはコメントした。「見た目ほど簡単なだった訳じゃない。この背後には多くの取り組み、多くの努力があった。才能だけじゃ十分じゃないんだ。だけどジュニアとしてのキャリアは、自分の成長に大いに役立ったと思うよ」。
早い時期にプロになったシンネルと違い、ムゼッティはジュニア時代に2018年USオープンで準優勝し、2019年にはオーストラリアン・オープンでタイトルを獲得することで自分のテニスを発展させてきた。
シンネルが安定性のあるベースラインプレーヤーである一方で、ムゼッティはコートの至るところで多彩なショットを誇示している。そのほとんどは、彼のアイドルであるロジャー・フェデラー(スイス)をお手本としたものだ。
「オールラウンドなテニスという意味で、彼は僕よりも優れたプレーヤーだよ」とシンネルは認めた。
錦織もこれに同意するかもしれない。自分のオーバーヘッドショットに対してコートのはるか後ろからあり得ないような片手打ちバックハンドのウィナーをライン上に決め、長いラリーを締めくくったムゼッティを錦織は称賛した。
「彼がハードコートでどんなふうにプレーするのかは知らないが、間違いなくクレーコートでの彼はパワーあふれる恐るべき選手となるだろう」と錦織は賛辞を送った。「バックハンドもいいし、サービスもいい。ネットにも巧みに出てくる。彼はかなり何でもできるタイプの選手だ。それは彼にとっての大きな武器だよ」。
ムゼッティは1991年のファブリス・サントーロ(フランス)以降で、ローマで3回戦に進出した最年少プレーヤーとなった。
現在世界ランク249位のムゼッティは今大会の予選をプレーするのにワイルドカード(主催者推薦枠)を必要とし、それから予選決勝でジュリオ・ゼッピエリ(イタリア)にフルセットの戦いの末に競り勝って何とか本戦入りを果たしていた。ゼッピエリはイタリアで将来を嘱望されるもうひとりの18歳で、初挑戦だったATPツアーで2試合を勝ち抜き予選決勝に進出していた。
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