残酷なUSオープン決勝での勝利がティームの前途を照らす

 大会最終日――いや、ここ2週間の全体を通して――に起きたことは、次に戦うときに自分に対する見方を変えるだろうと彼は考えている。そして彼は、それが永遠の変化であるよう願っている。

 決勝に勝ったことで、彼は自分が違う人間、違うプレーヤーになったのだと信じている。彼はついに、心にのしかかっていた挫折――ナダルに敗れた2018年&19年フレンチ・オープン決勝と2020年オーストラリアン・オープン決勝でのジョコビッチに対する敗北――を乗り越えることができたのだ。

「すべてのグランドスラム大会は、僕にとってもの凄く大きなプレッシャーだった。最初の決勝で負け、次の年も負けた頃からは特にね。それから今年のオーストラリアン・オープン決勝での敗戦は、かなり辛かったよ。どういう訳か、プレッシャーはどんどん大きくなっていったんだ」とティームは苦しかった胸の内を明かした。

「だけど今は、それがすべてなくなったんだ。何故って、これから何が起きようと僕はいつでもUSオープンのチャンピオンだと言うことができる。それは僕にとって、絶対的に素晴らしいことなんだ」と彼は続けた。

「このことが僕を解放してくれるよう願っている。コートでリラックスできるようになって、もっといい選手になれればいいと思っているよ」(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真はUSオープン男子シングルス表彰式でのドミニク・ティーム(オーストリア/右)とアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)(Getty Images)

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