1型糖尿病を抱えながら世界最高峰で戦うズベレフがフレンチ・オープンに続くグランドスラム制覇「2026年は努力の集大成だと感じている」 [USオープン]

写真は6年ぶりの決勝で大会初優勝を飾ったアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)(Getty Images)


 シーズン最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の男子シングルス決勝で、第1シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が第8シードのベン・シェルトン(アメリカ)を6-3 7-6(2) 5-7 6-2で退け栄冠に輝いた。

 グランドスラム大会でプレーするのが43回目となるズベレフが決勝の舞台でプレーしたのは6度目だったが、6月のフレンチ・オープン以来となる2勝目を挙げた。

 一度もブレークポイントに直面することなく最初の2セットを連取したズベレフは第3セット5-6から唯一のサービスダウンを喫したが、第4セット第1ゲームと4-2から相手のサービスゲームを破って3時間33分で勝利を決めた。

 サービング・フォー・ザ・チャンピオンシップの2ポイント目でダブルフォールトを犯したズベレフは残りのポイントを取って勝利を決めたあとレシーブゲームの準備をしようとしたところでスタジアムの雰囲気を感じて試合が終わったことに気付き、両手を挙げて喜んだあとネット際に駆け寄ってシェルトンと握手を交わした。

 同大会に4年連続12回目の出場となる29歳のズベレフは無観客で開催された2020年にも決勝に進出したが、前回はあと2ポイントに迫りながらもドミニク・ティーム(オーストリア)に6-2 6-4 4-6 3-6 6-7(6)で惜敗していた。

 ロラン・ギャロスで悲願のグランドスラム制覇を果たしたズベレフはウインブルドンでも決勝まで勝ち進んだが、ハードコートの前哨戦2大会ではATPマスターズ1000大会のトロントで初戦敗退を喫するなど2勝2敗と結果を残せていなかった。

 ふたりは6度目の対決で初めてグランドスラム大会でプレーしたが、シェルトンは6連敗を喫した。屋外ハードコートでは2024年と25年にシンシナティの準々決勝で顔を合わせ、いずれもズベレフ(2024年:3-6 7-6(3) 7-5、26年:6-2 6-2)が勝っていた。

 グランドスラム大会に初めてトップシードとして臨んだズベレフは5セットにもつれた最初の2試合で9時間半近く戦ったが、続く4試合では1セットも落とさず6年ぶりの決勝進出を決めていた。

「チームに感謝したい。30年もグランドスラム大会でタイトルを獲れなかったのに、この3ヵ月で2つも勝ち獲ることができた」とズベレフは表彰式のスピーチで話した。

「僕たちがどれだけ努力し、どれほどの苦しみや痛みを乗り越えてきたのか神様が見ていてくれたのだと思う。2026年はこれまで積み重ねてきたきた努力の集大成だと感じている」

 幼少期から1型糖尿病を患ってきたズベレフは競技としてのスポーツをハイレベルで行える可能性はないと言われてきたが、家族の支えによって困難を克服して世界最高峰の舞台で長年に渡って鎬を削っている。

「4歳の息子が糖尿病と診断され、人生やスポーツが制限されるだろうと医師に告げられたときに『息子はなりたいものになれる』と言いきるのは本当に強い母親にしかできないことだ」とズベレフは一番の支えになってくれた母に感謝の意を述べた。

「だからこそ僕たちがこの病気を乗り越え、今こうして素晴らしい瞬間を迎えることができることが本当にうれしいんだ」

 ATPマスターズ1000大会のモントリオールで2連覇を達成するなどハードコートの前哨戦3大会で8勝2敗の戦績を残した23歳のシェルトンは、過去2度(2023年全米&25年全豪)敗れていたグランドスラム準決勝を初めて突破して最終日を迎えていた。

 四大大会の同種目でアメリカ人選手が栄冠に輝いたのは、今のところ2003年に全米を制したアンディ・ロディック(アメリカ)が最後となっている。

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写真◎Getty Images

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