ジョコビッチがUSオープンでの失格処分から大きな教訓を得たと語る
意図せずしてUSオープンで線審の首にボールを当ててしまったために失格処分を食らったことにより、「大きな教訓を学んだ」とノバク・ジョコビッチ(セルビア)はコメントした。
8日前に起きたその事件は、ジョコビッチの29連勝とグランドスラムで18勝目となるタイトル獲得への挑戦を驚くべき形で終わらせた。
イタリア国際に出場しているジョコビッチは、「僕はフィジカル的に自分を鍛えているとのと同じくらい熱心に、メンタル面と感情面の向上に努めている」と語った。「僕はコート内外で、自分の最良の姿を見せようと努力している。僕はあのときコートで感情を爆発させてしまったことを理解している。僕はこれまでもずっとそのような性格であり、そういう選手だった」。
「僕はこの経験を、可能な限り深く大きな教訓として取り入れたい。ずっと考えていたんだ。理解しようとしていたし、チームの皆と話をした。このような出来事は、不運にも起こってしまうことがある。先に進んでいかなければならない」
その失格処分は、ジョコビッチがUSオープン4回戦でパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)と対戦しているときに起きた。ジョコビッチはサービスをブレークされて第1セットで5-6とリードされたあと、チェンジコートのためにベンチのほうに歩いていきながら腹を立てた様子でボールを自分の後方に打った。ボールは線審のほうに真っ直ぐ飛んでいき、彼女はコートの後方で喉を押さえながら膝をついた。
「まったく予想外のことで、意図したことではなかった」とジョコビッチは弁明した。「あんなふうにボールを打てば、コート上の誰かに当たる可能性はある。規則は明白だ。だから僕はその処罰を受け入れた。前を向いて次のことに移るべきであり、それが僕がやったことだった」
世界ランク1位のジョコビッチは、USオープンでは絶対的優勝候補だった。
「もちろん、僕はあの事件のことを忘れなかった」とジョコビッチは言い添えた。「今後も忘れることはないだろう。あれは人生の残りを通し、記憶に留まり続けるような出来事のひとつだった。でも僕は自分がツアーに戻ってきてボールを打ち、いいパーフォーマンスをするのに大きな問題を抱えるとは思わない」。
第1シードのジョコビッチはローマで1回戦をBYEで免除されており、彼の初戦の対戦相手はワイルドカード(主催者推薦枠)で出場するサルバトーレ・カルーゾ(イタリア)と予選を勝ち上がってきたテニス・サングレン(アメリカ)の勝者となる。
このローマのフォロ・イタリコでの大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのため、本来の5月から期日を変えて無観客で開催されている。
9度の優勝経験を持つラファエル・ナダル(スペイン)は、ジョコビッチと反対側のドローの山にいる。ナダルにとってこの大会は、約7ヵ月の休止期間を経て初の公式戦となる。
USオープンと同じようにプレーヤーは管理された『バブル』と呼ばれる安全地帯の中にとどまり、頻繁にウイルス検査を受けることになる。しかしニューヨークとは違い、プレーヤーはコートに出入りするときにマスクを着けることを義務付けられていない。
「すべての選手は検査を受けて陰性が確認されているのだから、マスクを着けることに意味はない」と世界6位のステファノス・チチパス(ギリシャ)は理解を示した。「そして『バブル』の中にいるときに何をすべきだとか、遵守するプロトコルがこうだとか四六時中言って回る人たちも必要ないよ」。
チチパスはまた、「加えて、宿泊施設は別のレベルだよ」と付け加えた。
男子選手たちは大会中、丘の上から町の中心街を見渡す五つ星ホテル「ローマ・カバリエリ」に滞在している。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)
※写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア)
ROME, ITALY - SEPTEMBER 14: Novak Djokovic of Serbia plays a backhand in a practice session during day one of the Internazionali BNL D'Italia at Foro Italico on September 14, 2020 in Rome, Italy. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)
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