セレナがストレート勝ちで準々決勝へ、バーティ、クビトバ、プリスコバ敗退 [ウインブルドン]

イギリス・ロンドンで開催されている「ウインブルドン」(7月1~14日/グラスコート)の女子シングルス4回戦で、第11シードのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が第30シードのカルラ・スアレス ナバロ(スペイン)を6-2 6-2で下し、準々決勝へと駒を進めた。

 今年はここまで試合不足だったにも関わらず、セレナは変わらずグラスコートでは“ビッグ”だ。

 2017年に妊娠のためウインブルドンを欠場して2018年にツアーに戻ったセレナは、フレンチ・オープン3回戦敗退のあと、グラスコートの前哨戦をスキップしてウインブルドン前にまったく試合をしていなかった。

「間違いなく、私は十分な数の試合をこなしていなかった」とここ数ヵ月、左膝の故障に対処してきたセレナはコメントした。

「私は今週に、文字通り過去5ヵ月よりも多くの試合をプレーした。驚きね」

 セレナはオーストラリアン・オープンで準々決勝に進出したが、インディアンウェルズでは試合の途中にリタイアし、マイアミとローマの出場を取り消して、それからフレンチ・オープンをプレーした。

「プレーできることはわかっていた。そして、肉体的によりよい感じを覚えている今、私は何よりほっとしている」とセレナは明かした。

「“OK、ついにテニスをプレーできるようになった”という感じよ」

 スアレス ナバロに対してセレナは第1セット3-2から6ゲームを連取し、第2セットではブレークを果たして5-2とリードした。そしてそこから、簡単に試合を終わらせた。

 昨年のウインブルドン決勝でアンジェリック・ケルバー(ドイツ)に敗れ準優勝に終わっていたセレナは、次の準々決勝でアリソン・リスク(アメリカ)と対戦する。ノーシードのリスクはこの日、世界ランク1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)を倒す番狂わせをやってのけた。

 セレナの最後の敗戦はアメリカ人に対するもので、それはソフィア・ケネン(アメリカ)に対するフレンチ・オープン3回戦だった。

「そうね、最後に同胞のアメリカ人と対戦したときに私は負けているから、今回は絶対にうまくやりたいわ」とセレナは次戦を見据えた。

「そして、彼女はグラスコートで素晴らしい選手。彼女はグラスコートの大会で優勝したばかりの世界1位の選手を倒したのだから。あの試合は見たわ。だから彼女との戦いに向け、準備を整えるつもりよ」

 リスクはバーティの連勝を「15」で終わらせ、同時に彼女が2大会連続でグランドスラム優勝を遂げる可能性をも断ち切った。

 フレンチ・オープン優勝者のバーティを3-6 6-2 6-3で倒したリスクは、初のグランドスラム大会準々決勝をプレーすることになる。

「自分の試合のすべてでスタートはあまりよくなかったのだけれど、自分のサービスゲームをしっかり管理できれば彼女のサーブでブレークチャンスを見つけられるということに自信を持っていた」とリスクは試合後に語った。彼女のこれ以前の最良の成績は、2013年ウインブルドン3回戦進出とUSオープン4回戦進出だった。

「私はアグレッシブにプレーしなければならなかった。私は、アッシュを攻撃しなければならなかった」

 世界1位となってから初の大会をプレーしているところだったバーティは、リスクに対してサービスで軽快にポイントを取りながら試合を始めた。最初のサービスゲームで、第1シードのバーティは4ポイントすべてをサービスエースで取ったのだ。彼女は次のサービスゲームでさらに2ポイントをサービスエースで取った。彼女は試合を通し、12本のサービスエースを刻んだ。

 しかしリスクはチャンスを手にしたときに、それをものにした。第3セットで5-3とリードを奪ったときを含め、彼女は4度あったブレークチャンスを4度ともつかんだのである。

「私は、自分がプレーしたいと思うやり方に忠実にプレーしていた」とバーティは振り返った。

「それから、第2セットでサーブが私を裏切ったのだと思う。私はセカンドサーブを狙われるような状況をつくってしまうことにより、あまりに何度もアリソンを試合の中に戻らせてしまった」

ベスト8が出揃う

 この日はバーティのほかに姿を消した上位シードがいる。第3シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)はカロリーナ・ムチョバ(チェコ)に6-4 5-7 11-13で接戦に敗れ、ウインブルドンで2011年と2014年に優勝している第6シードのペトラ・クビトバ(チェコ)も地元選手で第19シードのジョハナ・コンタ(イギリス)に6-4 2-6 4-6でこちらも逆転負けを喫した。

 一方、第7シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)は予選から快進撃を続けていた15歳のコリ・ガウフ(アメリカ)を6-3 6-3で退けた。

 そのほかの試合では、第8シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)が第24シードのペトラ・マルティッチ(クロアチア)を6-4 6-2で倒し、ジャン・シューアイ(中国)はデヤナ・イエストレムスカ(ウクライナ)を6-4 1-6 6-2で下した。バーボラ・ストリコバ(チェコ)は1セットダウンから挽回し、エリース・メルテンス(ベルギー)を4-6 7-5 6-2で倒した。

 スビトリーナは第1セット4-4から6ゲームを連取した。マルティッチは第2セット第1ゲームのあと左脚に治療を受けたが、試合の残り時間を通して彼女の動きは故障によるダメージを受けているように見えた。彼女は1-4でまた治療を要請した。(C)AP(テニスマガジン)

女子シングルス準々決勝

アリソン・リスク(アメリカ)vs セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)[11]

バーボラ・ストリコバ(チェコ)vs ジョハナ・コンタ(イギリス)[19]

エリナ・スビトリーナ(ウクライナ)[8] vs カロリーナ・ムチョバ(チェコ)

シモナ・ハレプ(ルーマニア)[7] vs ジャン・シューアイ(中国)

※[ ] 数字はシード順位

※写真は元ウインブルドン・チャンピオンのペトラ・クビトバ(チェコ/左)を破ったジョハナ・コンタ(イギリス/右)(撮影◎小山真司 / SHINJI OYAMA)

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