セレナがシングルスとミックスダブルスの1日2勝で1週目を締めくくる [ウインブルドン]

今年3大会目のグランドスラム「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月1~14日/グラスコート)の大会6日目。

 セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は携帯電話と冷えたミネラルウォーターのボトル、シングルス3回戦での勝利をさらに裏付ける統計のシートを手にウインブルドンの記者会見場に入ってきた。

 彼女はこれまでになく、彼女のベスト状態に戻りつつある。

 今季の大部分で故障と体調不全に苦しめられていた第11シードのセレナは、第18シードのユリア・ゲルゲス(ドイツ)に対する試合で一歩前進した。ゲルゲスは、昨年のウインブルドン準決勝でセレナに敗れていたパワーヒッターだ。

 この試合でのセレナはサービスを最高時速193kmで打ち、ファーストサーブの確率を大会最高の71%とし、6-3 6-4で勝つ過程で1度しかブレークポイントに直面しなかった。

「ここまで、私にとって険しい年だったわ」とセレナはコメントした。彼女は2019年、主に今ようやく痛みのとれた左膝の問題のために今週までわずか12試合しかプレーしていなかった。

「だから試合ごとに、大いに向上できるよう願っている」

 それならば、彼女が土曜日に2度プレーしたのもいいことだったのかもしれない。

 ナンバー1コートでゲルゲスを倒した約4時間半後、セレナはアンディ・マレー(イギリス)とチームを組んだために大いに騒がれたミックスダブルスのデビュー戦に臨むためセンターコートに向かった。

 第1セットで足を滑らせてネット際で一度転んだことを除けば――ケガはなく、彼女はそれを笑い飛ばした――アンドレアス・ミース(ドイツ)/アレクサ・グラーチ(チリ)に6-4 6-1で勝った試合でセレナはよい状態であるように見えた。

 彼女は時速196kmのサービスを打ち込み、この大会における女子シングルスでの最速記録に並ぶスピードを記録した。ちなみにシングルスの最速を打ったのも、もちろん彼女自身だ。

「アンディと私はふたりとも、競い合うのが好きなの。私たちはお互いにいい活躍をしたいと望んでいることをわかっている」とセレナは語った。

「私たちは、ただショーを見せるためにここにいるんじゃないのよ」

 しかし、もしセレナがウインブルドンで8度目のシングルス優勝を遂げ、グランドスラムで全時代を通してのタイトル獲得数の最多記録「24」に並ぼうというなら、彼女はゲルゲス戦で見せたようなパフォーマンスをもっともっと望むことだろう。

 力強いが、何も無理強いされてはいない。

「私は落ち着きを保てているけれど、非常に熱烈であるときにかなりいいプレーをする。その間のいいバランスを見つけられているときにね」と37歳のセレナは自身のプレーについて説明した。

「それは、見つけるのが難しいバランスなの。なぜって、落ち着きすぎていると十分なエネルギーが出ない。いまだ、そのバランスを見つけようとしているところなのよ」

 彼女が記者会見に持ち込んだ紙の上には、さらにふたつのカギとなる統計があった。彼女は19対15と、アンフォーストエラーよりも多くのウィナーを生み出した。

 一方のゲルゲスは最終的に32本のアンフォーストエラーを犯しており、そのことはセレナが繰り出すショットに対処することが対戦相手にとっていかに難しいかを反映している。ゲルゲスは試合後に、リターンでも大きなダメージを生み出したことについてセレナを讃えた。

 最初の2ラウンドで平均10本のサービスエースを決めていたゲルゲスは、この試合でその半分しか奪うことができなかった。恐らくより重要性を持っていたのは、直ちにポイントの舵を握ることを可能にするセレナの刺すようなリターンだったのだろう。

「彼女はそのリターンで、膨大なプレッシャーを築いていると言って間違いはないと思う」とゲルゲスはセレナの強さについての見解を示した。

「それゆえ私は、自分のサービスゲームで限界まで力を注いでいく必要があった」

 伝統のミドルサンデーの休日のあと、月曜日には男子と女子のシングルス4回戦のすべての試合とともにプレーが再開される。

 8強入りをかけたセレナの対戦相手は、第30シードのカルラ・スアレス ナバロ(スペイン)となる。

 土曜日の試合の結果決まったそのほかの4回戦では、マッチ15連勝中で第1シードのアシュリー・バーティ(オーストラリア)がアリソン・リスク(アメリカ)と、ウインブルドンで2度優勝している第6シードのペトラ・クビトバ(チェコ)が第19シードのジョハナ・コンタ(イギリス)と、第21シードのエリース・メルテンス(ベルギー)はバーボラ・ストリコバ(チェコ)と対戦する。

 一足早く決まっていたボトムハーフでは、第3シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)とカロリーナ・ムチョバ(チェコ)、第7シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)と予選から快進撃で勝ち上がってきた15歳のコリ・ガウフ(アメリカ)、第8シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)と第24シードのペトラ・マルティッチ(クロアチア)と、デヤナ・イエストレムスカ(ウクライナ)とジャン・シューアイ(中国)が顔を合わせる。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)
LONDON, ENGLAND - JULY 06: Serena Williams of The United States, playing partner of Andy Murray of Great Britain smiles after falling trying to play a shot in their Mixed Doubles first round match against Andreas Mies of Germany and Alexa Guarachi of Chile during Day six of The Championships - Wimbledon 2019 at All England Lawn Tennis and Croquet Club on July 06, 2019 in London, England. (Photo by Matthias Hangst/Getty Images)

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